紅茶

紅茶はどこまでもニュートラルである
おいしければおいしいほど
甘くも苦くもなく
スパイシーでもなく
香りすぎることもない
口の中の状態をニュートラルに戻すのが
紅茶の役目である

嗜好品には興奮作用と鎮静作用がある
緑茶を飲めば落ち着くし
コーヒーを飲めば目が冴える

お茶はかつて「薬」だったが
現代の「ドラッグ」にも
興奮用(アッパー)のドラッグ(覚醒剤)と
鎮静用(ダウナー)のドラッグ(大麻)がある

紅茶がまだまだ高価だった頃
紅茶は鎮静作用のある「薬」であり
砂糖が民衆の手の届くものになった頃
砂糖入りの紅茶は興奮作用のある飲み物になった

まあ今でも紅茶は多分に
人を興奮させ鎮静させているのだが
世の中にこれほど多くの
テンションをあげる飲み物と
Chillする飲み物があるなかで
紅茶は相対的に
ニュートラルな飲み物になった

張り切っていても疲れていても
いつでもニュートラルな
「ポイントゼロ」に戻すドリンク
それが紅茶
「俺が」「俺が」の時代において
重要なやつである

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