12/11 天皇杯

サッカーには、「天皇杯」という大会がある。
プロとアマの混合オープントーナメントで、
高校生チームがプロチームと対戦することもある夢の大会だったのだが、
一昨年から日程の過密などの理由で、
高校生チームの参加が認められなくなった。
過去には、市立船橋高校がJ1の横浜FMと対戦して、
延長まで戦うという熱戦を繰り広げたこともあったのだが、
そういう夢のカードは、今のところ、見られなくなってしまった。

高校生がプロと戦える。
これには、大きな意義があると思う。
普段、高校生同士のゲームしかしていない高校生が、プロと対戦することで、
それまで、自分達が「違い」だと思っていた部分を「違い」に感じさせないくらいの、
大きな違いを、プロから感じることができる。
技術はもちろんのこと、試合の運び方やコミュニケーションの取りかた、
色々なところで感じる違いは、必ず、何かしらの発見を生む。

日本のスポーツは、教育の側面が強すぎると言われ、
スポーツを純粋に楽しむ視点が弱いと言われる。
そのせいか、欧米に比べて、障害者スポーツの支援が遅れていたり、
高齢者のスポーツ環境も整っていないと言われる。
スポーツは何も、子どもをまっとうな大人になるためだけにやるものではない。
体力が衰え、できることが限られてからもスポーツは楽しめるし、
他人や自分と争わなくなってからも、スポーツは面白い。
学校教育の一環としてのスポーツ(部活)を日々やっている高校生たちは、
相手に勝つこと、もしくは自分に克つことがスポーツの目標のようになってくるが、
スポーツをやる意味はそれだけではない。
世の中には、年をとっても、ただただ楽しむためにスポーツをやる人もいれば、
プロとして、金をもらうために厳しくやっている人もいる。
スポーツをやる目的が楽しさであれ、厳しさであれ、
普段の教育的スポーツとは違う目線でスポーツをする人と一緒にゲームができるということは、
高校生達に、色んな気づきをもたらしてくれると思う。

スポーツ界の中には、野球など、プロとアマの溝が深いスポーツもある。
プロアマ混じって大会が開ける土壌が、サッカー界にあるのであれば、
「天皇杯」は、高校生とプロが対戦できるチャンスを残しておいてほしいなと、思う。
ファン目線でもそう思うし、教育的目線でも、そう思う。

 

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