9/27 夢の話


僕はバスに乗っている。
道が悪いのか、アップダウンでバスが激しく揺れる。
その間隔はだんだん短くなり、
なんだかジェットコースターに乗っているような気分になる。
と、急にバスは激しいバウンドで崖から放り出され、
「あ、やばい」と思った瞬間、
空中で、バスが止まった。
バスは崖から落ちたが、落下はしていない。
バスに乗っている人も、皆、「え?」と驚いていたので、
宙に浮いていることを不思議に思ってるのは僕だけじゃないんだとわかったが、
バスから外を見るみると、そこは「無」だった。
何もない世界が広がっていた。
宙に止まっている時間は結構長く、
皆、耐え難い時間を、じっと黙って過ごしていた。
いつになったら下に降りるのだろうかと、不安げに運転手と話していると、
いつのまにか、バスは地面に着地していた。
僕は大変なことが起きたと思い、乗客に話しかけようとしたが
皆、バスを降りると、けろっと何もなかったように歩いていった。
この経験は絶対世間に知らせないといけないと思ったので、
僕はそこで体験したことを詳しく本に書いて出版すると、
そのバスに人が殺到するようになった。
本を書いた後、僕は、自分が体験したリアルな記憶が
だんだん消えていくように感じた。
本を読んでバスに殺到した人達は、本に書いてあるのと同じように、
バスが崖から落ち、空中で静止し、「無」の世界を経験し、驚愕して、興奮していたが、
バスを降りると、すべてを忘れてケロッとした顔で歩いていった。
バスは常に人が耐えなかった。
でも、そこで何を体験したかは、バスを降りたものは誰ひとり覚えていなかった。
という夢を見たので、忘れないうちに起きてすぐ、パソコンにメモした。
それから数ヶ月して、パソコンのメモ帳に「夢の話」という文章を見つけたが、
なんだか初めて聞くような話だった。
そんな夢をみたことさえ、僕はほとんど覚えていなかった。

 

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