レヴュー

 

コンタクトレンズをamazonで買った。
ある人によると、アメリカのamazonのレビュー文はレベルが高く、
ちゃんと批評文として成立しているが、
日本のamazonのレビュー文には、まともな批評がないという。
そのことが頭にあったので、昨日、
日本のamazonの「介護用スプーン」のレビューを読んで、ハッとした。
こんな書き方してもいいんだ・・・。

「ハビナース すくいやすいスプーン ¥744」

 フォークは満点
 だけどスプーンは
 すくいやすすぎて
 女性の口の大きさ以上に山盛りにし
 (口元で)こぼす
 神経質になっちゃいけないですね
 こぼさせましょう
 どうせエプロンしてるから
 上手になることは期待できず
 老化や病状は進む
 手首や肘の動きが下手になった

なんだろう、これは。
適当に書いているのだろうか。
詩を書こうとしているのだろうか。
どちらにせよ、レビューは定型文があるわけではない。
自分の好きなように書いていいのだ。
意味が伝わらなくても、何かしら、伝わるものがあればいいのだ。
僕も、書こう。
昨日買った、コンタクトレンズのレビューを。
わかりにくくても。
伝えたいことを。


「2weeksアキュビューモイスト 4箱 ¥8720」

目が見えない 目が悪い
コンタクト付けてないと 何も見えない
レーシック受けようかな やっぱやめようかな
これまで 何度か 考えたけど
そのたび 何度も 考え直した
なにも見えないのは 生き物として弱いなって思うけど
なにも見えないのも たまには悪かないなって思うわけ

世界中のウェブが つながってるおかげで
頼んでもない情報が スマホに飛び込んでくるように
コンタクトレンズが 矯正してくれるおかげで
見たくもない景色が 目に飛び込んでくる
エステの広告 サラ金の看板
降りたままのシャッター ゴミをあさるカラス
目に映る景色 見たくもない世界
飛び込んでくる情報 全部シャットアウトしたいのに

そう コンタクトをはずそう 捨て去ってしまおう
裸眼(はだか)になって 見たいものだけ見よう  

目が見えない 目が悪い
けどコンタクト付けてない 見えなくたっていい
誰かこっち見てるかな そんなんどうだっていいよな
お寺も お堂も 礼拝堂も
神聖な 場所は たいてい暗い
考えるには 見えないくらいがちょうどいい
「だいじなものは 目には見えないんだよ」との謂(いい)。

駅につくと ざわついた構内は
大きく乱れたダイヤに ドタバタしている
なのに遠くの案内板は ぼやっとした光
乗り換えの情報が 飛び込んでこない、ヤバイ
人身事故発生? 何十分遅れ?
何番線に変更? 臨時バス運行?
どこに行けばいいか なにもわからない
目に見える景色 全部シャットアウトしたから

そう コンタクトを探そう 捨てたとこに戻ってさ
目を皿にして 乾かぬうちに見つけよう

そう コンタクトを買おう うるおいが続くやつ
常にスペア持ち歩いてさ 見たくないものも見よう


レビューに、もっと、自由を。

星、0個でも、いいじゃない。

 

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