看板

「バットを使った野球禁止」
公園に大きな横断幕が張ってある。
「バットを使った野球禁止」・・・。
じゃあ「バットを使わない野球」って何や・・・。
バットを使わない野球。
多分、それはキャッチボールのこと。
看板を立てた人は言う。
キャッチボールまではいい。
でも、バットを使ったら、だめ。
そういうこと。
でも、そういうことじゃないかもしれない。
ただ、僕に分かるのは、「ここではバットを使っちゃだめ」ということだけ。

山道を車で走っていると、山の上に大きな看板が出ている。
「い ま 間 伐」
誰が出した看板なんだろう。
私有林を持っている人に対して自治体が言っているのか。
「今、間伐を!」と。
もしくは、地元の「里山を守る会」の人たちが、
予算をつけない自治体に対して言っているのかもしれない。
「先送りするな。間伐するなら、いまだ!」と。
どちらにしても、通りすがりの僕にわかることは、
「間伐をいまやってほしい人がいる」ということだけ。

まちの大きなお寺の前を通ると、
今月のありがたい訓示が貼り出されている。
「仏の顔は何度でも」
成句としては「仏の顔も三度まで」と言われるが、
人間が三度くらい悪いことをしたとしても、本当の仏は、見放したりしない。
「阿弥陀様は決してあなたをみすてません」
そう、下に小さく書いてある。
本当の仏は、何度やらかしても、決して見放したりしないが、
仏の顔した人間は、同じミスを繰り返すと、四度目に、仏でなくなる。
まあ、同じミスをしても三度は許してくれるなんて、
相当寛容な人だと思うけど、
本当の仏に会ったことのない僕に分かるのは、
本当の仏は、それよりさらに、寛容だということ。
たぶん、「バットを使った野球禁止」の公園でバットを使ったとしても、
仏は、絶対に、怒ったりしないということ。