長い付き合い

新型コロナウィルス感染症は「COVID-19」と称されるが、
新型コロナウィルス自体は「SARS-CoV」という名称が付いている。
「SARS」という表記からわかるように、
18年前に流行ったSARSウィルスと同じ種のウィルスである。
新型コロナウィルスの影響はなんらかの形で今後十数年に渡って続くかもしれないし、
2,3年でワクチンが開発され、じょじょに収束していくのかもしれないが、
専門家の中には、今回の新型コロナウィルスが収まったとしても、
すぐに別のウィルスがやってきて、
再びパンデミックを起こす可能性があると指摘する。
それは、この20年の間に、
SARS、MERS、鳥インフルエンザ、豚インフルエンザ、エボラ出血熱と、
何度も感染力の高いウィルスが
人類に挑戦してきていることからも、簡単に予想できる話だという。
もしも、今回、新型コロナウィルスを数年で抑えこめたとしても
人類はまだまだ油断はできないらしい。

確かにそう言われてみれば、
近年は何度もウィルスが引き起こす騒動やニュースを聞くことがあった。
なぜ、近年、そのような感染症が頻繁にやってきているのだろうかと友人に聞くと、
その友人は、「そりゃ、ウィルスに名前をつけ始めたからだろう」と言った。
100年前は、人類に知られていないウィルスが
なんらかの感染症を引き起こしたとしても、
それが何のウィルスかを特定することは難しかった。
特に、医療の発達していない地域で感染が広がった場合は、
それがどういうウィルスか特定されないままに、
感染力の強い流行風邪ということで、
悲しみの涙とともに片付けられてしまっていただろう。

ウィルスに限らず、名前を付けるということは、他と分けることである。
「ストレス」や「恐怖症」と同じように、
名前を付けることで他と分類し、特定することができる。
「先端恐怖症」という言葉がなかった時代、
ボールペンの先を見ておののく人は、ただのビビりであっただろうが、
名前が付けば、立派な病気である。
近年、感染症が頻繁に起こっているのは、グローバル化と情報化に伴って、
世界のどの地域で発見されたウィルスであっても、またたく間に情報が共有され、
すぐにウィルスが特定されるようになったからだろう。
そう考えると、今後も、人類は、
新型のウィルスに脅かされ続けることになる。

そして、ウィルスを特定することに加えて、
もう一つ感染症が頻繁に広まるようになった原因は、グローバル化である。
というか、こちらが、主要な原因である。
今回、世界同時多発的に感染が広がり、パンデミックが宣言されたのは、
国を超えて、人が激しく往来する時代だったからである。
これが飛行機ではなく船の時代ならば、世界に感染が拡大するとしても、
もっとゆっくりだったであろう。
スペイン風邪の際もそうだったらしいが、スペインから広まった感染症は、
徐々に徐々に時間をかけて、他国に広がっていったという。
スペイン風邪ほど前でなくても、30年前ならば、
一般の中国人が今のように海外旅行にでかけていなかったため、
拡大のスピードは明らかに遅かったに違いない。

グローバル化によってウィルスの脅威はまたたく間に世界に広がるようになった。
以前なら、国内問題として処理されるような感染症であっても、
今は、世界の医療機関がほうっておかない。
必ず特定されて、名前がつけられ、封じ込めのために各国が動く。
今回、コロナウィルスをうまく対応した国の一つである台湾の勝因は、
SARSの際の教訓をうまく活かされたからだと言われている。
18年前、SARSで大きな被害を被った台湾は、今回、他国に先駆けて国を締め、
当時の他国からしたらやりすぎとも思える施策を早めに打ち出して、
封じ込めに成功した。
そう考えると、今後、世界各国は、世界のどこかでウィルス騒動があるたびに、
すぐに国を締め、人の行き来を止めるのだろう。
そうやって、私達は、頻繁に人類にチャレンジしてくるウィルスに対応していく。

トランプ大統領は、ウィルス発生源の特定に本腰を入れるらしく、
中国の研究所を調査するよう指示したらしいが、
真相はまだわからない(し今後もわからない気がする)ので、
他の情報を見ていると、動物からヒトにウィルスが感染しやすくなった理由として、
動物と人間が近くなったからだと指摘する記事を見つけた。
人間が森林開発を行ったために起こった生態系の変化や、
廉価な肉を得るために変化させた家畜環境、
気候変動による野生動物の生息地の減少など、
人間が食糧確保のために、動物を意のままにしようとしたことが、
動物からヒトへの頻繁なウィルス感染の遠因にあるという。
もしそうだとしたら、今回の問題は、単なる感染症対策の問題ではなく、
人間の生き方にかかわる問題でもある。
グローバル化、都市化、民主主義の問題の加えて、食糧の問題。
なんだか、コビッド19は多くのことを我々に突きつけている。
(でももしこれが研究所から漏れたウィルスならば、
突きつけられているのは、もっと生々しいものなんだろう)

https://www.afpbb.com/articles/-/3278702?page=2

https://m.newspicks.com/news/4825915/body