10/12 最も引用される本

世界で一番引用される回数が多い本は何だか知っていますか。
もちろん英語で書かれた本です。
そうです。

聖書です。
圧倒的ナンバーワンです。
世界の、いろんな場面で引用されています。

二番は何かわかりますか。
ヒントは、イギリス人の著者です。
いやいや、ハリー・ポッターではありませんよ。
そうです。

シェイクスピアです。
シェイクスピアの・・・何の本かは忘れました。
ロミオとジュリエットでしょうか、ハムレットでしょうか。

三番は何かわかりますか。
ヒントは、これまた、イギリス人の著者です。
シェイクスピアではありません。
子ども向けの作品です。
いやいや、だから、ハリー・ポッターではありません。
もっと、昔の。
そうです。

ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」です。

どこで聞いた話かは忘れたので、本当に正確なトップ3かどうかわかりませんが、
この三冊には、世界中で引用される、示唆に富む言葉が溢れています。
みんなが引用したくなるような言葉。
そういう言葉には共通点があります。
例えば、そういう言葉は、常に簡潔。

「人はパンのみにて生くるにあらず」
(マタイ福音書4:4)

簡潔な言葉は、色々なシチュエーションで使うことができます。
聖書には、多くの、簡潔な言葉が詰められています。
引用されやすい言葉は、簡潔で、しかも、
それらは、多くの場合、謎めいています。

「私は昨日に戻ることはできない。
 なぜなら昨日の私は別の人間だったのだから」
(ルイス・キャロル「不思議の国のアリス」)

文章の前後を消すと、よくわからなくなってしまう言葉ですが、
それだけに、引用の幅が広がります。
「不思議の国のアリス」には、こういった謎めいた言葉がたくさん見られます。
こうした、簡潔で、謎めいた言葉は、多くの場合、
本質的でもあります。

「生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ
 (シェークスピア「ハムレット」)」

人生の核心にせまった本質的な言葉は、
どの分野の本であっても、引用することができます。
シェークスピアは、舞台の上で演じる戯曲を多く書いただけに、
役者が吐く、パワーフレーズを多く生み出しました。

どこで見たランキングかさえわすれたので、
一位の聖書の中の、どの言葉が最も引用されているのかは覚えていませんが
僕が予想するに、たぶん、引用数トップは、

「はじめに言葉ありき」
(ヨハネ福音書1:1)

です。
多分、これが、ナンバーワン。

「簡潔」で「謎めいてい」て、「本質的」すぎます。
色んな場面で引用したくなるし、
考えれば考えるほど、謎すぎます。
引用数トップの聖書(ヨハネ福音書)の一番最初(1:1)に来てることからも、
これがナンバーワンと考えていいでしょう。

「引用」とは、「拡散」でもあります。
他の本が、ことばを引用すればするほど、
その言葉は、本から本へ、本から映像へと、媒体を変えながら、
世界のあらゆる場所へ、拡散されていきます。
そして、世界で一番拡散されている言葉が「はじめに言葉ありき」。
この言葉を忘れるなと言うかのように、世界の各地で、
「はじめに言葉ありき」「はじめに言葉ありき」と、
皆が口々に、輪唱している。
引用したい言葉とは、拡散したい言葉。
決して忘れてはいけない言葉だと、
みんなが思う言葉のことなのかもしれない。