
生きていると、悔しい日ってのがある。
 仕事で結果がでなくて人間関係でもうまくいかなくて、
 どうにもやるせない気持ち。
 駐車場で車に乗り込もうとする前に、
 だめを押すように彼女から愚痴の電話、からの喧嘩。
 僕はどうしようもない悔しさ、やるせない怒りから、
 ポケットの中の車のキーをアスファルトに叩きつけた。
 「ちきしょー!!」
 すると、溜まってたものが抜けたようで、少し落ち着いた。
 深く深呼吸をして、髪をくしゃくしゃっとかきあげ、
 家に帰って熱いお風呂に入ろうと一呼吸ついて、
 車に乗り込もうとした。
 「あれ・・・」
 「あれ・・・」
 車のキーの先がひどく曲がっていて、ドアのキーが刺せない。
 僕の古く安い車は、ボタン一つでドアが開くような
 スマートなキーなんかじゃない。
 こみ上げる悔しさ。
 「ちきしょー!!」
 僕は、どうしようもない悔しさ、やるせない怒りを、
 駐車場のアスファルトに叩きつけた。
 ただ、今度は気持ちだけにしておいた。

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