歳をとるにつれてちょっとずつ時間の経過がはやくなっているっていうことは、季節がはやく回ってくるっていうことだから、歳をとるにしたがって、春も秋もすぐにやってくる。
じいちゃんやばあちゃんは、日向ぼっこしてたら一日がもう終わっちゃったみたいな時間を過ごしているけど
、一年も同じようにあっというまに過ぎてて、春が過ぎてもすぐにまた今度の春がやってくる。
そうやってさっき去ったものがまたすぐにやってくるから、年寄りは、新しい季節がやって来ることに飽き飽きしててもよさそうないのに、年寄りほど桜や紅葉を愛おしく思っちゃうってるってのは、これいかに!?
サイクルが早ければ早いほど、過ぎゆくものに愛着を感じるようになるってこれ、どういう現象なのでしょうか。
それは、回っているコマが段々と速度を落として、最後はグルングルンと回って、止まってしまう動きの逆みたいに、遅かった回転がだんだんと早くなっていって、ある消失点みたいな最後の瞬間に達すると、急にゴロンと転がるようなものかしら。
回転が早くなっていく時間の中で、先にやってくる、その終止の瞬間を予見してしまうがゆえの、おじいさん、おばあさん方の「愛おしみ」そして「慈しみ」でしょうかね。