テクノロジーで囲まれた生活をしている子どもたちにとって、
「家庭科」の授業は、重要な役割を果たす。
大家族の中で、祖母や母親が知らず識らずのうちに、
料理や裁縫や掃除や洗濯を教えてくれるわけではなくなった時代において、
「家庭科」は生活スキルに触れられる貴重な場である。
そこで高校生に聞いて見た。
「今、家庭科でなにやってんの?」
「家庭科ですか?・・・今は、精進料理です」
精進料理・・・?
もっとやることあるよね。
精進料理の前に、作るべきもの、もっといーーっぱいあるよね。
親子丼とか、肉じゃがとか、ボルシチとか。
おせちとか、七草粥とか、ぼたもちとか。
「精進料理の作り方習って、それ、いつ使うのよ?」
「えーっと、法事の時とかですかね」
えっとね、法事の時に、もう飯は作らなくなったんだよ、少年。