ファイターズ・大谷翔平のエンゼルス行きが決まった。
ヤンキースかパドレスかマリナーズかと言われた中で、
大方の予想を裏切ってのエンゼルス入りだが、
大方の予想通りに動く選手ならば、
そもそも今年の移籍なんて考えていない。
来年以降に移籍すれば、
契約金として100億円近く入ってくると言われていたにもかかわらず、
たった数億の契約金で今年の移籍に踏み切った青年の判断は、
アスリートであってもビジネス感覚の強いアメリカ人からしたら、
理解しがたいものらしい。
大谷がアナハイムで開いた入団記者会見は、
それまでのどのアスリートの入団会見よりも
”意気込み”が感じられなかった。
誰であっても、これからの挑戦について語る入団会見は、
興奮したり意気込んだりするものなのに、
平常心というか、自然体というか、
余計な肩の力がまったく入っていない会見だった。
新人のはずなのに、初々しささえ感じられない。
だからといって、老成しているというわけでもない。
本当に珍しいタイプの選手だと思う。
スポーツ雑誌・ナンバーでは、彼のことを「好青年」と形容していたが、
「好青年」にも程ってもんがある。
自分の夢のために100億円を蹴って、
自分のしたいことがやれるという理由だけで球団を選び、
その入団会見で、なんの上気もせずに、平常心で挨拶するこの東洋の青年は、
異国の人にとっては、ミステリアスで奇異な存在に映るだろう。
「日本のベーブ・ルース」入団のために動いたのはほぼ全球団と言われているので、
エンゼルス以外のチームは大谷に振られた形になる。
打者として打席に立つ大谷に対するインコース攻めは自然と厳しくなるだろうと
どこかの記事に書いてあったが、
多分、大谷に対する攻めの厳しさは、
振られた腹いせからではなく、
その腹の中が理解できない不安からくるものだろう。
大谷が活躍すればするほど、
彼の自然体な振る舞いは、敵に恐怖を与えるだろう。
是非、一年目からメジャーを震え上がらせてほしい。
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