性質と行動

子どもに「お前は嘘つきだね」と言うよりも「嘘をついちゃいけないよ」と言ったほうがいい。
子どもに「お前は怠け者だね」と言うよりも「怠けてちゃいけないよ」と言ったほうがいい。
子どもに「お前は心が弱いね」と言うよりも「弱い心じゃいけないよ」と言ったほうがいい。

子どもは、「性質」ではなく「行動」をたしなめるべきである。
「性質」は子どもを固定的に見る視点であるが、「行動」はその時その時の彼らを見る視点である。
子どもは日々、刻々と変化していくので、「怠け者」もそのうち「怠け者」でなくなる。
しかし、日々、刻々と時間が過ぎても変化しない「言葉」は、子どもたちの心に残る。

日々、変わりゆく者たちに日々、変わらない「ネガティブな性質」の言葉を押し付けるのは、酷である。
子どもは安心できる環境の中では「強い心」を持てるものだし、不安な環境の下では、「弱い心」に支配されるものである。

そして、それは子どもだけじゃなく、大人においてもまったく同じである。
お金がある時に寛容な人も、お金がなくなると狭量になるし
平時においてつれない人も、緊急時にはおせっかいになったりする。
性質は状況によって変えられる。
であれば、大人にだって、まるでその人の変わらない本性があるかのように、「ネガティブな性質」の烙印を押すことは、なるべくやめてあげたほうがいいのであろう。

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