ロードサイドを運転していると、前方にファミリーマートがあった。
「あ、コンビニだ。入ろう」と思ったが、
左側前方に、
「300M先 セブン-イレブン」
という看板があることに気づく。
あ、このまま進めば、セブンがあるのか。
じゃあ、セブン-イレブンの方がいいなと、
ファミリーマートを通り過ぎることにする。
そのまま車を走らせていると、看板通り、
300メートル先に、セブン-イレブンが見えてくる。
しかしながら、そのセブン-イレブンは、対向車線側に立っている。
ロードサイドを走る車はスピードが速い。
できれば曲がりたくはない。
すると、前方に、大きな看板が見える。
「300M先 ローソン こちら側の車線」。
なんだ、このまま行けば、曲がらなくていいローソンがあるのか。
「じゃあ、ローソンがいいな」と、
セブン-イレブンは通り過ぎることにする。
そのまま車を走らせていると、看板通り、
300メートル先にローソンが見える。
本当はセブン-イレブンのおにぎりが食べたかったけどしょうがないなと、
ローソンの駐車場に入る準備をした瞬間、左手前方の看板に目が留まる。
「1,5km先 セブン-イレブン こちら側の車線」。
あぁ、なんてこった。
このまま行けば、曲がらなくてもいいセブンがあるってか。
でも1.5キロってか。
遠すぎやろ。
そんな待てないし。
いや、でもセブンのおにぎり食べたいし、どうしよう。
どうしよう、あ、どうしよう。
と、葛藤しているうちに、ローソンは通り過ぎてしまった。
セブン-イレブンは、1,5キロメートルを追加で走らせるくらい、
魅力があるのだろうか。
セブン-イレブンに着くまでの1.5KMの道のりには、
もう、誰も看板を出していない。
勝者、セブン-イレブン。
そう思った瞬間、セブン-イレブンの300M手前に、
一軒、ミニストップが立っている。
しかも、こちらの車線に。
それなのに、ミニストップは他の店舗の前に看板を出すこともしていなかった。
ミニストップは最初から、この無益な「看板戦争」には参加しなかったのだ。
「その心意気や、潔し!」
そう一言つぶやいて、僕は、ミニストップを通り過ぎ、セブン-イレブンに入った。
セブン-イレブンって、強い。