表参道

自分と「流行り」との距離を知るために、東京に赴いた時は、渋谷から表参道から原宿を歩き回ることにしている。
そうすると、自分がいかに「今」とズレているかがわかり、ホッとしたり、ドキッとしたりする。
それでも最近は、コロナのせいなのか、SNSのせいなのか、目に見える「今のおしゃれ」をしている人が以前と比べると少ないので、定期観測の意味が薄れてきている。
誰も思い思いの格好でストリートにたむろしていないので、通りから元気が感じられない。

自己主張の手段がファッションだった時代は、自分の服を人に見てもらうために、街を練り歩く必要があったが、SNS以降、自己主張の舞台は、スマホの中の、15cm×7cmくらいの枠に収まっちゃったので、そこに映る、自分の「部分」だけを見せていけばよいことになっている。
スマホの中の世界は「引き」ではなく「寄り」の画ばかりなので、今後、「引き」による、人の「雰囲気」みたいなものの重要性は、じょじょに薄れていくのかもと思ったりする。

スマホはどんだけ解像度を上げても現実にはかなわないので、手触り感やテクスチャの良さが伝わらないため、単純な「色」と「形」に人々が反応するようになる。
それは、「インスタ映え」という言葉の示す通り。
そこでは感触が置き去られ、ますます視覚優位の世界。

雰囲気や風合いや質感が後ろに置かれ、「色」と「形」だけになれば、整形業界は大喜び。
「造形」がすべてならば、力づくで、どうとでも変形できる。

以前、東京に出てきた時に電車内でギョッとした、高校生に向けた二重手術の広告は、その後、SNSでやり玉に挙げられていて、そのためかどうかは知らないが、今回電車の中でその広告を目にしなかったことだけが、今回の上京における救い。

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