大谷翔平率いるファイターズが優勝してしまった。
(率いたのは栗山監督だけど)
プロ野球はソフトバンク黄金期に入ったと思っていたのに、
二刀流スーパースターの時代に入ったらしい。
ただ、大谷翔平は誰もが認めるスーパースターなのに、
もうひとつワクワクしない。
イチローがシーズン200本打った時のようなワクワク感がない。
僕がもう少年じゃないからだろうか。
ファイターズも最大11.5ゲーム差をひっくり返したというのに、
長嶋巨人が11.5ゲーム差をひっくり返した「メークミラクル」
の時のような感動がない。
僕がファイターズファンじゃないからだろうか。
昔の方がわくわくしたなあ。
前の方が感動したなあ。
でも、たぶんそれはただの、ないものねだりなんだろう。
ウディ・アレンの映画「ミッドナイト・イン・パリ」で、
売れない小説家である主人公は、
現代から1920年代にタイムスリップしてしまう。
そこで主人公は、1920年代にいた天才、
ピカソにヘミングウェイにフィッツジェラルドに会い、
興奮して、自分の小説を見てもらう。
そこでピカソの愛人と恋に落ちてしまった主人公は、
今度は二人で1800年代後半にタイムスリップしてしまう。
そこには、ドガがゴーギャンがロートレックがいて、
ピカソの愛人は興奮し 「是非、この時代に留まろう」と言うが、
主人公は「君がいた20年代こそ、素晴らしき芸術の時代だ」と言う。
しかし彼女は「1800年代後半こそが至高の時代だ」といい、
彼女は一人で、その時代に留まる決心をする。
いつだって、前時代は輝いて見えるし、過去は美化されてしまう。
いつの時代も、ないものねだりだ。
僕はイチローが、長嶋巨人がと言っているが、
おじさんは、ONが、金田がと言うだろうし、
おじいさんは、川上が、大下がと言うに決まってるし、
ひいおじいさんは、六大学野球が花形だった頃を懐かしむだろう。
大谷翔平でわくわくしないなんていうのはないものねだり以外の
なにものでもない。
こんな選手はもう二度と出ないのだ。
今の時代を楽しもう。
まもなくクライマックスシリーズだ。
頑張れ、ホークス!負けるな、ホークス!
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