アメリカの大統領選を見ていると、なんだかんだ、アメリカの大統領選は、
国民の大きな関心ごとで、エンターテインメントなんだなと思う。
街の至る所で、大統領選の結果を皆が見守っている。
その割に投票率は56%程度で、日本の総選挙よりも低いのだが、
これは、事前登録の必要性など、制度上の問題らしい。
韓国の朴槿恵大統領辞任要求集会に100万人集まったらしい。
なんだかんだ、韓国の大統領ってのは、国民の大きな関心をよぶようだ。
日本の総理大臣を辞任させようと思っても、100万人なんて到底集まらない。
日本の人は、日本の総理大臣にそんなに興味を持っていない。
多くの人が政治に興味がないことは、多くの人の生活を政治が左右していないということだ。
それはそれで健全な気もする。
今回、アメリカの大統領選を見て、日本の選挙戦を思い出した。
日本の選挙で当選した候補者は恒例のように、カメラの前でバンザイをする。
あれは、誰に向けてやっているんだろうか。
勝って嬉しいのはわかるし、彼らにとっては戦いに勝利したということなんだろうけど、
投票した側からすると、「全面的に支持したわけでもないし」「消去法で入れただけなのに」
と、そんな手放しで喜ばれても困るなあ、と少し冷めてしまう。
自分をサポートしてくれた多くの人たちと喜びを分かち合いたいのなら、
裏でこっそりバンザイすればいい。
それまで舌戦を戦わせてきた憎き対抗・候補者に向かってざまあみろと、
裏でバンザイして喜べばいい。
それはうちわの話だ。
テレビの前の人に見せるものじゃない。
ステージ上でパフォーマンスするミュージシャンだって、ライブが終わりに近づくと、
「今日、ずっといい音を鳴らしてくれた、バックバンドの皆に、大きな拍手を!」
と、サポートメンバーを称える。
ミュージシャンには、自ずから拍手が向けられるのだから、
ミュージシャンが拍手を促すのは、サポートメンバーに対してだ。
選挙の当選者も、自分が両手をあげるのではなく、
周りの人のサポートを称えてあげるくらいの余裕を、勝利の瞬間も見せて欲しい。
そういえば、日本の政治家は、衆議院を解散する時もバンザイをしている。
あれもなんなのだろうか。
やけっぱちなんだろうか。
この国のバンザイ文化はよくわからない。
まだ、「万歳」文化がきちんと日本の根付く前、
めでたい時の掛け声は、「万歳」ではなく、「奉賀(ほうが)」になる可能性があったという。
しかしこれは、連呼していると「あ、奉賀(阿呆が)」と聞こえるとして、却下されたらしい。
「阿呆が!阿呆が!阿呆が!」
選挙に当選した人が、「万歳」と叫ばず、「阿呆が」と叫んでいたら、それはそれで面白い。
でも、誰が誰に阿呆と言っているのか、阿呆と言ってる本人が阿呆なのか、
余計に、わけわからなくなってくる。
意味が伝わらない分、まだ「万歳」でよかったなと思う。
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