11/23 WBC日本代表

先日、WBCの強化試合があった。
同時刻にサッカーの日本代表のW杯予選が行われていたのだが、
視聴率で大きく差をつけられたらしい。
野球の試合が強化試合だということを差し引いても、よくない数字だったという。
試合内容も、快勝したサッカーとは対象的に、満足できるような内容ではなかった。

野球はサッカーと比べて国対抗で戦う歴史が浅いので、
ナショナルチームとしての野球の魅力がまだ薄い。
クラブチームの観客動員数はサッカーよりも野球がはるかに多いので、
別にナショナルチームが不人気でも今はたいした問題ではないが、
今後の野球人気を考えると、ナショナルチームとしての魅力も、
つけていったほうがいいと思う。

日本代表野球チームの人気のなさの一つは、監督にあるとも言われている。
現役時代、ホークスで活躍した小久保監督が率いているのだが、
WBCの第一回、第二回監督が、王監督、原監督なのに比べると
ネームバリューとしては、少し弱い。
ただ、それを批判するのなら、
監督経験のない小久保を監督に就任させた時点ですべきだったわけで、
今さらそんなことを言っても、しょうがないとは思う。

国際大会で勝つためには、チームとしてまとめれるかどうかが鍵をにぎる。
いくら上手い選手を上から11人集めても、強いサッカー代表チームにはならないし、
チームとして機能するためには、全員が同じ方向を向いていなければならない。
サッカーの国際大会では、レギュラーを若手に奪われた過去のエースが、
腐らずにチームをサポートし、盛り立てているようなチームが、
良い成績を残したりしている。

野球は、国際大会の経験が乏しいので、そういう経験をした選手がまだ少ない。
学生の頃からチームの中心で活躍し、プロに入ってもエースや主力を張っている、
いわば野球エリート達は、「補欠」を経験したことがない。
少なくとも、ここ数年、リーグで成績を残している選手が代表として集められているわけで、
誰も、サポートする側のメンバーになったことがない。
そんな状況でも、チームを一つにまとめあげるのが、監督の求心力だったりする。
その求心力は、監督としての実績や、選手としての実績によって生まれるのだが、
監督未経験の小久保監督には、それがまだない。
王監督は、誰も文句を言わせないような成績を残したレジェンドだし、
原監督も、巨人を率いた名将としての実績があった。
小久保監督は、現役時代もいい選手ではあったが、
日本代表にはそれを超えるようなタレント達が集まっている。
なかなか、まだ「チーム」にはなれていないのかもしれない。

第一回のWBCでは、イチローがなんとしても、王監督を世界一にすると奮起していた。
第二回のWBCでは、不振にあえぐイチローをなんとかしてあげたいという気持ちが
チームをまとめていた。
チームが一つになるためには、誰かのために、何かのために、が必要になる。
WBCという大会や、野球の国際大会は、
まだ、サッカー選手にとってのW杯や、高校球児にとっての甲子園のような、
身を削ってでも勝ち取りたいものになっていない。
まだ、日本代表選手達が、燃えたぎっていない以上、もう一度、韓国と対戦して負けて、
マウンド上に韓国の国旗をたててもらうしかないのかもしれない。
今、見ている限り、日本の野球エリートに火をつけるには、
そのくらいのショック療法が必要なのだと思う。

 

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