マーク・トウェインは言った。
「嘘には三種類ある。
嘘、大嘘、そして、統計だ(lies, damn lies, and statistics)」
イギリスのユーロ離脱やアメリカのトランプ新大統領を
事前の統計で予測できなかった今、
この言葉は以前よりすんなり入ってくる。
本心ではトランプに投票するつもりだった人が、
アンケートでは、「ヒラリーに投票します」と言わざるをえない空気があったことを
統計は示している。
当人(被験者?)の考えや意見を扱う統計には、
社会構造やその時の状況など、
”嘘”が入り込む余地がたくさんある。
「幸福度調査」というよくわからない統計も、
設問の仕方が「アーユーハッピー?」なのか
「あなたは幸せですか?」なのかで、結果は大きく変わる。
どうみても、「ハッピー」と「幸福」は重さが違いすぎる。
言葉の違いは、思いの外大きい。
「フェイスブック」の投稿を覗いていると、
この世にはハッピーなことしかなく、
ハッピーであることは「善」であるかのような投稿に目がくらむが、
ある界隈で生きている人たちのツイッターを覗くと、
リアル世界にはアンハッピーなできことしかないような、
「リア充」であることは「悪」であるかのようなツイートに気分が暗くなる。
「あなたは幸せですか?」という質問に、
「はい」と言わなければ憐れに思われる社会の空気もあるし、
「はい」と言うと仲間ハズレにされる社会の空気もある。
質問に素直に答えるのは、難しい。
「何でも好きなことをしてもいいよ」と言われて、
本当に自分の好きなことをしてもいいのかどうか、
まず、隣の人を確認するのが、日本の人たちだ。
自分の思っていることを素直に言っていいよ、と言われて集めた
アンケートという統計を、
僕は、基本的に信用していない。
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