1/20 いつも後追いする男

先週は、成人式が各地で行われたようで、
まちに振り袖姿の女性が多く歩いていた。
”成人”式は、すでに随分前から無実化しており、
ただの同窓会と化しているが、
「成人になる」「大人になる」という意識が個人に芽生える時期は、
男女間で、ズレがあるような気がしている。

小学生の時点で既に、女は男より精神的に成長が早い。
女の子は、男の子よりもませていて、
いつまでも幼稚な遊びをしているのは、男の子だ。
遊び方も、話し方も、考え方も、
女子は、いつも、ワンテンポ早い。
(もしくは、男子は、いつも、ワンテンポ、遅い)
男子が中学校に入って一年ほど経って、
ようやく中学生らしくなってくるのに対して、
女子は、中学校に入る前から、中学生のような顔をしている。
女子は、高校に入る前から高校生のような顔をしているし、
社会人になる前から社会人のような顔をしている。
誰かの奥さんになる前から奥さんのような表情をするし、
母親になる前から母親のような態度を見せる。
女は、いつも、先取りしている。

それに対し、男は、いつも、後追いしている。
社会的なポジションが変われば、
それに合わせてじょじょに心を変えていくだけ。
ブカブカの学ランが一年たつと、徐々に体に馴染んでくるように、
”ガキ”の心を、社会的ポジションに合わせて、
じょじょにじょじょに、”大人”に馴染ませているだけなのだ。

女はいつも先取りしているので、精神的な成人式も先取りしている。
男が社会に出て、結婚して、父親になって、
じょじょに大人になっていくのに対し、
女は、それより先に、”個人的”に、大人になっていく。
社会からポジションを与えられる前に、
家族との軋轢や、恋人との関係、
お金の苦労や、将来への不安などの
個人的なできごとをきっかけに、女は、大人になっていく。
それまでの軽く、甘く、キャッキャ言って飛び跳ねているだけの元気な子から
いつの間にか脱皮を終えている。
「女は、個人的に、大人になる」。
それは、「大人の女性」になるとか「いい女」になるってことじゃなく、
人間(バージョン女)として、先に進み、
その証として、一つ、「生」を重くするってことだ。

多分、それはただの、ジェンダーの話。
女は、社会に入る前から、
社会の中で女性が置かれている不条理さを感じとり、
その中で「女としてどう行きていくか」
「どういう女になっていくか」を、
それぞれが、先取りして考えるのだ。
男のように、社会から与えられたポジションを後追いすることで、
自動的に大人になっていくのとは、わけが違う。
女は、複雑さの中に、生きている。
女は、男よりも、多くのものを選び取っている。

振り袖姿の子たちは、まだ、ただの子どものように見える。
でも、そう見えるだけで、
すでに精神的な成人式は済ましている子も多くいるのかもしれない。
外見ではわからない。
スーツ姿の男たちも、全員、ただの子どものように見える。
これは、そう見えるだけじゃなく、確実に、そうなのだ。
外見でわかる、と言っていい。
彼らに、精神的な成人式は、ない。
彼らには、社会的な後追い成人式しかない。
もし、それが本当なら、
社会が不安定になって、男に社会的ポジションを与えなくなればなるほど、
「男の成人式」は、遅くなり、

社会に大人が増えていかない。
問題アリ、だ。

 

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