12/28 未来予想図

今年も多くの人が生まれて死んだ。
去年も多くの人が生まれて死んだけど、
今年も多くの人が生まれて死んだ。

多分、生まれた人より死んだ人のほうが多いけれど
生まれる人がだんだん減っているので、
この国の人の数はどんどん減っているらしい。
厚生労働省は、
このまま生まれる人が少ないままだと、
2050年には4人に1人が、65歳以上だと警鐘を鳴らす。
生まれる人の数は、
何かをきっかけに急激に伸びることもないので、
厚生労働省が描いた「未来予想図」は、
「思ったとおりに かなえられてく」のだと思う。
人類史上、類を見ない、じいさんばあさん社会。
これから何が起こるのだろうか。

今年も多くの人が死んだので、
著名人も、同様に、多く逝去した。
永六輔、江戸家猫八、大橋巨泉。
誰か大物が死ぬたびに、
これで昭和が終わったと言われ、
時代の流れを感じさせる。
立川談志が死んだ時も、
吉本隆明が死んだ時も、
美空ひばりが死んだ時も、
これで昭和の灯火は消えたと思った。
ただ、水木(しげる)先生が死んだ時だけ、
ああ、ようやく自分の家に帰れたんだな、と思った。

死んだらあの世に帰っていくということは、
あの世とこの世はトレードオフなのだろうか。
だとしたら、今、あの世の厚生労働省は、
これから確実に訪れるベビーブームに警鐘を鳴らしているのだろう。
人口の「未来予想図」は、ハズレにくい「未来予想図」だ。
今のうちから、この国が考えておくべきことは、たくさんある。

 

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