ツイッター社が身売りするという話がなかなか消えない。
あれだけトランプ大統領がツイートを頑張っても、
なかなか事業の赤字額が減らないようだ。
合衆国大統領から日本の田舎の中学生まで、
世界中のあらゆる人がつぶやいているツイッターだが、
使いどころがわからないので、
まだ、僕は、つぶやいたことがない。
なんでも自由に発信できるこのツールは、
表舞台では見せない、みんなの裏の顔を、どんどん教えてくれる。
ツイッターなんてものがなかった頃、
僕らは、人の表舞台しか見ることができなかった。
裏側は見せるものではないという意識は皆、一様に高く、
有名人は、表のイメージを守ることに神経を尖らせた。
小学校の図書館にあったスポーツ選手の本の中で、
「プロは、絶対に努力している裏舞台を見せてはいけない」
と、スーパースター・長嶋茂雄は言っていた。
子どもの憧れる存在であるはずのスターやヒーローが、
ツイッターで、裏側を見せてしまってもいいのだろうか。
かっこいい表の姿だけ見せるのが、スターなのではないのだろうか。
昭和の古い人間である僕は、
努力している裏側を公開してしまってどうする、と思ってしまう。
ツイッター始め、インターネットは、
表だけでなく、裏まで、すべてを公開してしまう。
結果だけでなくプロセスも、すべて。
そのことで、虚像は壊れ、有名人は手の届く存在になり、
完全無欠のスーパースターはいなくなってしまった。
(イチローにスター感があるのは、多分、自前メディアを持っていないからだ)
ただ、プロセスを公開してしまうインターネットは、利点も生み出した。
「誰かが行ったチャレンジをシェアできる」ということだ。
インターネット上に、結果だけでなく、プロセスまで公開されることで、
誰かが行ったトライ&エラーはウェブ上に残り、
後からチャレンジする人は、
顔も知らない他人のチャレンジを参考にできるようになった。
インターネットは、
この世にはチャレンジした人がたくさんいて、
それと同じくらい、失敗した人もたくさんいるという
事実を明るみに出してくれた。
多くの有名人は、ツイッターで、その人の裏側を伝えてくるが、
本当のスターは、ツイッターで、努力なんて伝えてこない。
田中のマー君がツイッターを持ったことで、
彼が、アイドルヲタクで競馬好きだということは知れ渡ったが、
そのことで、彼が努力を怠っていると思う人は、いない。
それに、彼がどれほど努力しているかは、
もしツイッターで努力の跡を見せてきたとしても、
本当のところ、誰にもわからない。
ツイッターによって、完全無欠のスーパースターはいなくなったが、
ツイッターをもってしても、スターが裏でどれほど努力しているかは、
伝わらない。
ツイッターができても、裏は裏、表は表。
結果はいつも、表でしか見せつけることができないのだ。
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