要素と要素の関係を探る構造主義という考え方を知った時に、
今後、兄弟構成がもっと注目されるようになるんじゃないかと思っていた。
個人のパーソナリティに影響をおよぼすのは、
生まれた場所や家庭環境ではなく、兄弟構成。
長男なのか、真ん中なのか、
末っ子なのか、一人っ子なのかで、
大きく、個人のパーソナリティが変わってくる。
そして、そこには民族を超えて共通する性質がある、と。
しかし、そうなることはなかった。
個人のパーソナリティを兄弟構成で語られることはあっても、
それは、血液型で語るのと同じ程度のものだった。
僕は、もっと、
どの民族にも共通して見られる三人兄弟の長男の気質、とか、
男、女、男の3人きょうだいの場合の真ん中っ子の気質、とか、
人間共通の性質が明らかになるんじゃないかと思っていたが、
期待はずれだった。
多分、兄弟構成は、文化による違いが大きいのだ。
日本の一人っ子と中国の一人っ子を、同列では語れない。
友だちから、「不機嫌な長男長女・無責任な末っ子たち」
という本が売れているとの情報が回ってきた。
兄弟構成別のタイプを紹介しているらしい。
本によると、
東大生には、長子が多く、
長期政権の総理大臣は、真ん中っ子が多く、
連ドラ主演女優は、圧倒的に末っ子が多く、
芸術家・アーティストは、一人っ子が多いという。
大まかな傾向としては、そうなのかと思うが、
当てはまらないケースも多くあるように思う。
その中で面白いのは、
戦後で在任期間の長い首相ベスト5は、全員が真ん中っ子なのだけど、
在任期間の短い首相ベスト5は、全員が、長男ということだ。
真ん中は、安定政権を築ける。
そしてまた、平成以降の首相16人のうちの13人が長子だという事実。
安定政権は築けないが、
椅子には座れるのが、長男。
なるほど。
ただ、これから少子化で、兄弟の数が減っていくと、
3人兄弟以上が減って、”真ん中っ子”自体が減っていく心配がある。
ということは、日本は今後、今まで以上に、短期政権が続く。
見通しは、暗い。
そんな話よりも、僕は皆に気に留めてほしいことがあるのだ。
男兄弟を「兄弟」、女兄弟を「姉妹」、
混じった時には「兄妹(けいまい)」「姉弟(してい)」
と書く煩わしさをどうにかしてほしい。
女・男・女で構成される僕のきょうだいは、
「僕の姉兄妹(しけいまい)の間では・・・」
とでも書かなければ正確に伝えられないジレンマが、そこにはある。
はやく兄・弟を意味しない「きょうだい」を作って、
すべての”きょうだい”を一つの表記で、統一してほしい。
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