ウェブで買い物することが増えた。
「ウェブで買い物するなんて、正気かよ!」と思ってた頃が懐かしいが、
ウェブショッピングが発達するにつれて、
ウェブ上に載せる写真の撮り方も発達していっている。
以前は、商品が手元に来て、「思ってたのと違う!」ということがたまにあったが、
最近は、そういうことが、ずいぶん減った。
ウェブショッピングでは、「実物と写真の差異」がだいぶ減ったが、
アートの世界ではまだまだその差異は埋められていない。
パンフレットやウェブで見たアート作品を「いいかも」と思い、
実際に足を運んで、実物を見に行くと、
「全然違うじゃん・・・」、ということが、まだまだある。
片道2時間かけて展覧会を見に行ったのに、
思ってたのと全然違った時は、
切符と入場券を払い戻ししたくなるが、
「もう見てますよね?もうだいぶ見ちゃってますよね」
と言われることが容易に想像できるので、
不満を胸にしまい、とぼとぼ2時間かけて帰るしかない。
ただ、アートとはそういうものなのだろう。
もし、ウェブ上の写真やパンフレットが、
美術館にある絵画やオブジェの芸術性をあますとこなく伝えるなら、
その写真やパンフレットが、既に独立したアート作品だといえる。
パンフレットに載っているアート作品は、映画の予告編みたいなもので、
「こんな感じの作品ですよ」ということを、伝えているにすぎない。
1800円払って映画を見て、「予告編と違うじゃないか!」と文句を言ったって、
どうしようもない。
ただ、たまに、2時間の本編より、
3分の予告編の方がよっぽど面白い映画というものあるので、
そういう場合は、「予告編編集者の腕がよかったんだ」と思って、あきらめるしかない。
ウェブ上でアート作品の写真やパンフレットを見る際は、
作品を作ったアーティストと、作品を撮ったカメラマン、
どっちの腕がいいのか見極める必要がある。
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