
京都の東山区に安井金比羅宮という縁切り神社がある。
 全国に縁結び神社はあまたあるが、
 ここには全国から、悪縁を切りたい人が集まってくる。
 ここに来た人は、列をなして、
 護符が張られすぎて妖怪みたいになった物体の穴を
 這いつくばりながらくぐって、誰かとの縁を切ろうとする。
 そばにある絵馬には、これでもかといわんばかりの
 恨みや罵詈雑言が書きなぐられている。
 しかも、本人だけでなく、親や兄弟、元カノや不倫相手など、
 周りの人間が、縁切りを願っているケースも多い。
 怨念が渦巻いているので、夜に来るとぞっとする。
西京区の法輪寺には、電気・電波の守り神である
 電電明神が祀られており、
 8GバイトのSDカード御守が売られている。
 親切にも、携帯の待受け用に、
 虚空菩薩像のデータが既に入っているという。
 IT関係者で賑わっているという噂だ。
上京区、御所の西に護王神社という神社がある。
 通称、いのしし神社。
 なんでも、御祭神の和気清麻呂が足の健を切られ、
 流罪にされた際、300頭のいのししが清麻呂を守ってくれ、
 足も奇跡的に治ったという話で、いのしし神社として、
 足腰が強くなるともっぱらの評判だ。
 その話にどれほど信ぴょう性があるのか、
 江戸の昔から足腰に効くとされてたのか、
 最近になって、御所にくる老人会一行を見た時に
 いのししと足腰を結びつけたのかは知らないが、
 日本中から集まってきたじいさんばあさんでいつも
 神社はごった返している。
神社の数だけ人間の欲がある。
 こんなにたくさんの我欲、神様は聞いてくれますかね。

 

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