本屋に行き新書を買ったら、2時間で読んでしまった。
842円。
映画やCDに比べれば2時間楽しんで842円は安いが、
なんとも、さくっと読めすぎる気がする。
新書とはそういうものだから別に文句はないが、
いい本ってのは、読んでいて全然前に進まないもんだ。
なんてったって、いい本には、行間がありすぎる。
文と次の文の間に膨大な、書かれていない文があって
それに思考が飛んでいると、なかなか次の文へ進めない。
読むのに時間がかかる。
いい本は10ページ書けることを1行にしているが、
雑な本は1行で書けることを10ページにしている。
僕の友人の一人は、一行読んでは考えてメモし、
また一行読んでは考えてノートにまとめるために、
何日たっても全然本が読み終わらないと言っていた。
それはまあまあ病気だと思うが、
そうやって読んだ一冊と、
2時間で読める本、100冊では
どちらが「ために」なるのだろう。
じいさん達が「古典を読め」と口酸っぱく言っているのは、
そういうことだ。
いい本は、一冊の「濃さ」が違うのだ。
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