高校生の時にPV(プロモーションビデオ)を初めて見た。
今はMV(ミュージックビデオ)と呼ばれているが、
当時はYoutubeもなく、家がCSを取っていなかったから
スペースシャワーTVも見れなくて、
CD屋さんにあるPV専用の試聴機で見ていた。
目新しい映像付きの音楽を見ながら、
音楽ってこれから大丈夫かなあと思っていた。
映像は音声より”強い”から、
PVなんて作ったら、みんなPVを見るようになって、
CDを聞かなくなるんじゃないかと危惧していた。
あれから15年経って、思ったほどPVの脅威はなかった。
もちろんほとんどの新曲にMVが作られるようになったが、
PVがCDを駆逐することはなかった。
PVが秀逸で売れたCDはあるだろうが、
PVがヘボすぎたために売れなかったCDは
そんなに多くないと思う。
PVが音楽にもたらす影響は思ったほどではなかったが、
CDだけで勝負出来る環境は、確実に終わったようだった。
既に音楽業界は、「CDを売って稼ぐ」から
「ライブで稼ぐ」にシフトしている(らしい)。
音楽を「聴く」だけでなく、ライブを「観る」ことも含めて
音楽を楽しんでいるといえるのだろう。
視覚(映像)は聴覚(音声)を凌駕しなかったが、
「生」は「録音」を凌駕している(らしい)。
人々は、より強い”体感”を求めている。
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