キャッチャーはグラウンドの監督だと言われる。
野手全員が、守っている時、バッターの方を向いているのに対し、
キャッチャーだけが、逆の方を向いてプレーしているため、
キャッチャーは、チーム全体を指揮する役割を持つ。
キャッチャーの見ている世界と他の野手の見ている世界は、
まったく違うのだ。
企業やNPOのような目的を持った集団でも、
トップの見ている世界と、社員の見ている世界は全然違う。
(キャッチャーは別に、集団のトップではないけど・・・)
トップは団体をひとつにするために、
自分の見ている景色を社員と共有しようと努力するが、
どこまでいっても、社員がトップと同じビジョンを持つことはない。
特に、企業の創業者のような、全責任を追っているトップと社員では、
見ている景色に雲泥の差がある。
エーゲ海と湘南の海くらい違う。
全面的に責任を取るべき人と、責任をとらなくてもいい人は、そのくらい違う。
日曜の夕方6時55分、つけっぱなしのテレビから、
アニメ「サザエさん」のエンディングテーマが流れてくる。
エンディングの最後、
サザエさん一家全員が、家にジョギングしながら入っていく。
ワカメからタラちゃんを背負ったマスオさんまで、
磯野家は先頭のサザエさんについて進んでいく。
サザエさんは一人、先頭でみんなの方を向いて、笛を吹き、リズムを取りつつ、
後ろ走りしながら、先導している。
あんなに速いスピードで後ろを向きつつ走るのは大変だろうが、
今週も、きちんと、サザエさんは、家に入っていった。
磯野家の家長は波平さんだが、
フジテレビで長寿番組が終わっていく中、視聴率と戦い、
番組存続の責任を一身に背負っているのが誰かは、
エンディングでの姿を見ていれば、わかる。
チームをまとめる人は、いつだって、みんなとは違う方向を向いて走っているのだ。
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