8/8 ドタバータ&ガラクータ

オリンピックの特集番組に闘莉王が出ている。
元サッカー日本代表の燃える闘魂、闘莉王。
闘莉王、誰かに似てきたなあと思いながら見る。
誰だっけなあ、面長で色黒で、もみあげが長くて・・・。
あ、あいつだ。
ひょっこりひょうたん島の海賊、ドタバータだ。
確認のためにネットで画像を検索してみると、
確かに闘莉王、ドタバータに似ている。
だけど、ドタバータの仲間、ガラクータにも似ている。
そんな気がする。
闘莉王は、人形劇っぽくなってきたのかもしれない。

ひょっこりひょうたん島は、井上ひさし作の
言わずとしれた大人気人形劇だ。
ドン・ガバチョやトラヒゲ、博士など
個性的なキャラクターが活躍する物語だが、
実は、彼ら、みんな死んでいる。
ひょうたん島は、設定として、死後の世界の話なのだ。
子ども達とサンデー先生が遠足に出かけた際
火山の噴火に巻き込まれ、死んでしまった後の話だ。
そのため、物語には基本的に食べ物の話は出てこない。
みんな、死んでいるので食べなくていいのだ。

皆が知らなかった裏設定を生前、井上ひさしが明かしたことで
ただでさえ人形劇という影を秘めたお芝居に、
一層の影をかぶせてしまった。
こういう都市伝説的な話は巷に溢れてはいるが、
作者が正面切って答えることは珍しい。
「実はサザエさんの最終回は・・・」とか
「ドラえもんはすべてのび太の夢で・・・」とか
「サツキとメイは本当は・・・」とか
すべてファンが想像の域で楽しむだけだが、
井上ひさしは断言した。
ひょうたん島は、死後の世界だ、と。
しかし、それを知った時、僕は驚かなかった。
だって、ドン・ガバチョがひょうたん島に来たのは、
子ども達が、テレビでガバチョを見ていたからだ。
ガバチョはある国の政治家で、
マスコミから不正を追求されている最中、
追いつめられて、テレビ(カメラ)の中に逃げた。
と同時に、ひょうたん島のテレビから出てきた。

テレビの中から出てくる人は基本的に生きた人間ではない。
ガバチョにしても。
貞子にしても。

死んでようが生きてようが、作品が面白ければ、
どんな前提だって僕らは簡単に、受け入れる。

 

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