後輩が家に来た。
小腹が空いたというが、
冷蔵庫に適当な食いものは入ってない。
そういえば2ヶ月前にもらってそのままにしてある
和菓子があった。
「その、棚に置いてある和菓子、食べていいよ」
後輩は、自分でお茶を淹れて、和菓子の包みを開ける。
包みを開けずにいたので、干菓子かしらとも思っていたが、
遠くで見た感じ、思ったより生菓子だ。
二つに割って、食べようとした時に気づいた。
「これ、なんか、緑色して、あ、え?、これ、
・・・カビ生えてるじゃないですかぁ!」
やっぱりな。
生えてるよな。
「あ、そう?そうか。まあ、2ヶ月前のだからな」
「えー!!2ヶ月前のを食わそうとしたんですか?」
「いや、干菓子かなあと思ったんだよ」
「でも包み開けたら干菓子じゃないってわかりますよねぇ?
なんで止めないんですか?
食っちゃうとこだったじゃないですかぁ!」
「まあ、別に、食ってもいいじゃんか。
意外とおいしかったかもよ」
「おいしいわけないでしょ。
カビ生えてるんですよ」
「まずかったら、お前の舌は正常だよ」
「食って、下痢したら、どうしてくれるんすか!?」
「下痢したら、お前の腹は、正常だよ」
「まじ、この人、クレイジーだよ」
クレイジー(異常)なのは、
腐ったもん食べてもまずいと感じない舌や、
下痢しない腹だ。
もしくは、腐ってるかどうか見抜けない眼だ。
真冬といえど、生菓子の足は早い。
いや、違うんす・・・。
干菓子かな、と思ったんだよぉ。
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