家の近くに手入れの行き届いた花壇がある。
市の管理にしては、いい花が植えてあるので、
どこかの団体が管理してるのかもしれない。
通るたびに、いい気持ちになる。
小学生の頃、学校に花を持って行かされることがあった。
家に咲いている花を持っていけと、母や祖母が言う。
それが嫌でたまらない。
学校までの1.5km。
道端の石ころを学校まで蹴り続けたり、
落ちている木の枝で道路をガリガリしたり、
朝から何かと忙しい男子にとって、
新聞紙に包まれた花束は、邪魔でしかない。
学校に着くと、さっさと花瓶につっこんで、
校庭にサッカーをしに行く。
女の先生は「お花をありがとう」と言い、
学校の花壇から何本か花を取っては、
花瓶に挿していた。
今になると、
あの殺風景な教室に花を持って行けと言った
母親の気持ちも、
その花だけじゃ物足りなく感じて、
他の花を足したくなった先生の気持ちも、分かる。
ただ、まったく花を理解しなかった僕ら男子にとって、
あの時の花は、何か意味があっただろうか。
花の美しさは、
花の美しさがわかる人の心を綺麗にするのだろうか。
それとも、花の美しさがわからない男子の心をも、
知らず知らずのうちに綺麗にしていたのだろうか。
ふふふ。
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