ランドセルを背負ってる時から野球をするのが大好きだった。
ただ、楽しい遊びは危険も伴う。
少年野球は、軟球なので当たってもそんなに痛くないとはいうものの、
地を這うような球が自分に向かってくると、逃げ腰になる。
逃げてはいけない。
野球はボールから逃げるスポーツではない。
強烈なボールが自分に向かってきて恐怖を感じる際、
一番大切なのは、腰を落とすことだ。
腰を落とすと、目線が下がる。
目線が下がれば、どんな球にも、対応ができる。
腰を落とさず、目線が高いと、
街でぼーっと突っ立っている時に、
急に足元を野良猫が通過する時みたいに、
飛び上がってしまう。
街なかでも、レスリング選手のように腰を落として
足元へのタックルを警戒していれば、
どんな猫が出てきても、恐れることはない。
大事なのは、腰を落とすことだ。
グローブを持っていない時にさえ、その教えは役に立つ。
明らかに社会的に地位が高い人に何かを頼みにいく時や、
世間的に名前の通った人に話を聞きにいく時、
相手の立場にビビってしまうこともあろうが、
そんな時は、いつも自分に言い聞かせる。
腰を落とせ(精神的に)。
腰を落とせ(精神的に)。
腰を落としていれば、どんな状況にも対応できる。
向こうのドアから急に出てくるのが
どんな金持ちでも、どんな有名な人でも、
腰を落としていれば、とりあえず、一歩目は出る。
たまにドアから出てくるのがとんでもなくギラギラした猫の場合もあるが、
その場合は、万事休すだ。
おとなしく、額をなめられよう。
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