後輩が「美味い、美味い、世界一美味い」というから、
その世界一の麻婆豆腐を食べに行った。
まあまあだった。
ハードル、上げすぎだ。
舌は個人差がかなりある。
共感を得るのが簡単ではない。
でも食の好みが原因で男女が分かれたりもするわけで、
なかなかにデリケートな問題だ。
母親の作った味噌汁で育った男が、
母親の味噌汁をおいしいと感じるのは当然だが、
母親の味噌汁が妻の味噌汁よりもおいしいと言うのは
タブーらしい。
舌は、多分に家庭の影響を受けるので、
母親の味噌汁をおいしいと感じるなと言うのは、
無理がある。
しかし、昔は、嫁が嫁いできて、
旦那の家の味を一から学んでいたわけだから、
男と女、どちらかが無理をするしかないようだ。
舌の好みが合わない二人がケンカしないためには、
(値段の)高いものを食べるしかない。
高い店には、質のいい食材、新鮮な食材が揃っている。
寿司屋かラーメン屋かでケンカするカップルはいるが、
新鮮なネタの寿司屋か新鮮じゃないネタの寿司屋かで
ケンカするカップルはいない。
カネがすべてを解決してくれる。
「金持ちケンカせず」だ。
お金のない二人に関しては、カネで解決できないわけだから
どちらかが舌の好みを変えるしかない。
男か、女か。
まあ、たいがい、今は男だろう。
そういう時代だ。
妻の家に嫁いで、一から妻の家の味を覚えなくていいだけ
ましな時代だと思って我慢しよう。
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