先日、中洲ジャズ2016というイベントが福岡の中洲で
開催されており、普段は男しかいない夜の中洲に
「夜の女」以外の女性がたくさんいた。
街なかに音楽があふれることは楽しいことで、
路上でギターかき鳴らしている人がいたら立ち止まって耳を傾けるけど、
「音楽はやっぱりCDより生だよね」と言われると、
いや、生よりCD(音源)だなと思う。
音楽業界はCDよりライブで稼ぐようになって、
より生(ライブ)を重要視しているけど、
世の中には生が苦手な人もいる。
イヤホンから流れてくる音楽が直接、自分に語りかけてきてくれるのと違って、
ライブは一度に大勢の客に向かって歌いかけてくる。
イヤホンから流れてくる音楽は、
どこまでも、自由に、想像の世界を広げてくれるが、
生のアーティストは、歌以外の情報をたくさんくれる。
変にこなれたMCとか、思ってたよりも悦に入る歌い方とか、
知らなくてもよかったことをたくさん教えてくれる。
CDだけにしとけば、よかったな・・・。
ちょっと後悔する。
生は、CDと違い、アーティストの「人間」が見えてしまう。
だからこそライブにいきたくなるアーティストもいるし、
それが余計なものになるアーティストもいる。
そういう意味では、落語みたいになっているんだなと思う。
寄席の客は噺ではなく、噺家を見に行っている。
五代目・古今亭志ん生が高座で居眠りしていても、それを見ているだけで
客は満足するという噺家もいる。
ただ、ステージ上で居眠りしているだけで客を呼べるような
存在だけで金をとれるような「名人」は今はいない。
噺家は噺をして、アーティストは歌を歌って、客を魅了するしかない。
ステージ上のMCにこなれるよりも、楽器を、歌を、進化させてほしい。
生の苦手な「音源派」は、いつもそう思う。
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