自治体が、イベントでの「餅つき」を禁止しているらしい。
屋内で開催するようにとか、
その場で食べずに家に持ち帰って火を通してから食べるようにとか、
いろいろ制限がつくようになっているらしい。
屋外での餅つきは食中毒が拡大するなど、もっともらしい理由をつけているが、
要は、クレームを恐れているのだ。
そんな、お客様クレームを恐れて、
楽しい生活文化を自ら壊すような規制には、断固反対する。
行政がいらぬ自粛を始めると、
お店や地域団体など、行政主導ではないイベントでも自粛が始まってしまう。
社会が以前よりも衛生的にひどい状況になっているならともかく、
シャーペンもエレベーターのてすりですらも「抗菌」してるような衛生社会で、
いまさら餅の感染症を恐れるなんて、細かいことを恐れすぎだ。
そもそも「餅」は、行政の管轄ではない。
「餅」は文化、生活を司る世間の人たちの管轄下にあるもので、役場の管轄ではない。
自治体主催の餅つきを見に来た人たちが、
「あぁ、最近は、ビニール手袋をはめて餅搗くんやねえ」
とつぶやくくらいの、こそっとした衛生対策をやっていてくれればいい。
餅と同じように、いつの間にか、「火」も行政の管轄になっている。
家でものを燃やすことは禁止になり、
枯れ葉や枯れ枝も、ゴミ袋につめて出すことがルールになっている。
私有地であっても、焚き火をしてはいけないという話も聞く。
詳しい法律は知らないが、
そもそもにおいて、「火」も、行政の管轄ではない。
役場がこの世に誕生するはるか前から、
ヒトは火を焚いてきた。
「火」の方が、「役所」よりも、断然、長い歴史を持つのだ。
長い歴史を持つものには敬意を払い、一度は必ず、立ち止まって考える。
これは、歴史を有する国なら常識として持っているセンスだ。
役場の人は、一度立ち止まってちゃんと考えて欲しい。
「火」が本当に、役場の管轄かどうか。
まちが火事になる恐れがあるという理由以外で、
役所が人々の「火」を、ほんとうに規制していいのかどうか。
そして、同じように、「餅」が、本当に、役場の管轄にあることなのかどうか。
「餅」や「火」は、人々の生活の中にあったものだ。
自分たちの生活の中に関する問題を、考えるのが面倒だからと役所にまかせていたら、
生活や文化は死んでしまう。
一度死んだものは、簡単には生き返らない。
まずは、文化を育んだり守ったりしてきたのが役所ではない、
ということは忘れずにおこう。
※この問題に関して、ウェブ上で「餅つき禁止は、やりすぎ」という意見もあるが、
「ま、それでも、俺は、人が触った餅なんか食べないけど」と、
餅つきの餅を食べないと言う人の多さに、愕然とする。
潔癖って、ここまでくると、笑えなくなるなぁ。
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