「これ入ったら、来月、お小遣いが2倍になる」
子供は、そういった、「自分ルール」のもとに、
紙くずをゴミ箱目がけて投げることがある。
もし、それで入らなかったとしても、
「実は、チャンスは3回ある」
と、チャンスは勝手に広がり、
その3回でも入らなかったとしても、
「最後に入るのが、実は一番得点が高い」
と随時、「自分ルール」は変更される。
その後、投げる位置がゴミ箱にだいぶ近くなっていたとしても、
最後、ゴミ箱にちゃんと入ることで、
子どもの「成功体験」は積まれていく。
子どもは「社会」経験が少ないので、
その分を「自分」経験で補完する。
「自分ルール」で構成された「自分」の世界で、
小さな成功体験を積み重ねることで
社会でもやっていけるんだという、
「自己肯定」は積み重なっていく。
「自分」ルールは、自己形成期に欠かせないシステムだ。
世間では、
「自分ルール」で動いている人を子どもといい、
「社会ルール」で動いている人を大人という。
子どもは、
「自分ルール」で高めた「自己肯定感」を引っさげて「社会」に入っていくが、
「社会」で働いている大人が、
みんな「社会ルール」で生きているわけではない。
むしろ、子どもが思うよりはるかに、
「今日カラオケで結構カロリー消費したから、ミルクレープ食べても全然OKなはず」
「昨日、上司に二次会まで付き合ったから、報告書提出するの遅くなってもいいはず」
と、大人も「自分ルール」で動いている。
大人は、自分の中の「子ども」を上書きして、大人になったわけではなく、
自分の中の子どもを大人でくるんで、「大人」と名乗っているだけだ。
この世にいるのは、
「子ども」と「元子ども」だけなのだ。
今日は12月25日。
すべての『子ども』に、メリークリスマス!