箱根駅伝で青山学院大学が3連覇した。
監督の原普監督は各方面から引っ張りだこで、
講演会では、他の経営者や政治家を抑えて、
人気NO1らしい。
スポーツは会社組織との似通ったところがあるので、
マネジメントやリーダーシップなどについて、
話を聞きたい企業人も多いのだろうが、
いつから、こんなに社会はスポーツを参考にするようになったのだろう。
「東洋の魔女」や「フジヤマのトビウオ」が活躍していた頃、
人は、スポーツ選手を見て、自分の参考にしただろうか。
テレビに映る王や長嶋を見て、
日本人は、明日からの働き方のモデルにしただろうか。
多分、今と当時では、スポーツ選手を見る目が違うと思うが、
今の人がスポーツを参考にするようになったのは、
スポーツが「個の物語」で語られるようになったからだ。
それまで、”巨人軍の”長嶋、”日本の”山下と、
集団の代表、集団を栄光に導く人として取り上げられていたスポーツ選手が、
イチローの登場くらいからか、
「個人」として取り上げられ始めた。
イチローの栄光は、イチロー個人が積み重ねた結果としての栄光。
それまでのように、オリックスやマリナーズなどの
チームの優勝とセットで語られるわけではなくなった。
巨人軍が「集団」として成し得た「V9」と同等の栄光を、
イチローは「個」として、成し遂げていくかのようだった。
駅伝で成績を残した原晋監督、次は、マラソン強化に意欲を見せている。
スポーツ選手が「個」で語られるように、
監督などの指導者も「個」として語られる。
「V9」を指揮した川上監督は、ずっと”巨人軍の”川上だったが、
現代の監督は、”元営業マンの”原で、”青山学院の”原で、
今後、”マラソン協会の”原となって、
どんどん所属先を変えていくのだろう。
原監督の講演会に足を運ぶ人たちは、
集団を統べるリーダーとしての話と、
集団を離れて個として生きる、人生の話の両方を聞きたいのかもしれない。
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