車を走らせていると、信号が青から赤に変わり、ブレーキを踏む。
車は急には止まれないので、停車線を超えて、車が止まる。
小学生くらいの頃から、「赤は”止まれ”、青は”進め”」
と教えられるけど、
本当は、「赤は”止まれ”、青は進め」ではなく、
「赤は”止まれ”、青は”進んでもいい”」だ。
車の場合は、後続車の迷惑になるから青でも、たいがい”進む”わけだけど、
歩行者用の信号が示す青は、必ずしも”進め”ではない。
別に、進まなくたって、止まってたって、
スマホいじってたって、ソックスあげてたっていい。
大きな交差点で、多くの人が信号で止まっていて、
歩行者信号が赤から青に変わり、
いっせいに、皆が歩き出す瞬間、
人は、歩いているのだろうか、それとも、歩かされているのだろうか。
「300メートル先、左方向です」
知らない土地を車で走っていると、カーナビが指示を出してくる。
カーナビは「左に曲がれ」というが、
どうみても、目的地は右方向なので、ハンドルを右に切ると、
工事で、通行止めになっている。
今の時代、僕みたいに、
機械の言うことをきかない人はまだ当たり前にいるけれど、
そのうち、機械の性能がどんどんあがり、
人の判断が入り込めないくらい完璧に合理的な指示をするようになると、
誰もが、疑問なく、機械の言うことに従うようになるのだと思う。
だけど、どこまで機械の判断が正確になったとしても、
「300メートル先、左方向です」は、
”300メートル先、左方向に曲がった方がいい”であって、
”300メートル先、左方向に曲がれ”ではない。
青信号が”進め”ではなく、”進んでもいい”であるように、
判断の権利は、つねに人側にある。
人には、機械の言うことを無視することも、間違った判断をすることもできる。
機械は一度間違えば、次、間違いをしないように修正されるが、
人はずっと間違いつづけることができる。
信号が青に変わっても止まり続けてていいし、
カーナビが言うことの逆を行って迷ったっていい。
人間だもの。
大切なのは、正しい判断をすることじゃなく、
自分で判断をすることだろう。
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