自分の結婚した年齢が、父親が結婚した年齢よりも10年遅いということを知った。
自分が遅いのか、自分の世代が全体として遅くなったのか気になったので調べてみると、
世代別の変遷が見れて、なかなか興味深かった。
自分と父親の間には30年の差があるのだが、
世代間の推移を鮮明にするために、30年ではなく、
50年前の1970年と現在を比較して、違いを見てみることにする。
50年前が1970年だなんて、それだけでなんだか不思議な気持ちになるが、
それは、21世紀ですらもう20年経っていることを普段から意識していない、
昭和人間だからだろう。
政府が出している統計をチェックする。
概念として間違っている数字の見方もあるだろうが、
面倒くさいのでまるめてまとめると、
50年前の男は、27歳で結婚して、55歳で定年を迎えて、70歳で死んだ。
対して、今の男は、31歳で結婚して、65歳で定年を迎えて、81歳で死ぬ。
結婚することが「大人になること」で、
定年から死ぬまでが「じいさんをやる期間」だとすると、
今は50年前に比べて、
「5年遅れで大人になって」、「5年遅れでじいさんになって」いる。
初婚の時期が遅れ、定年までの期間が伸びているので、
真ん中の「成人・壮年期」の長さは以前と変わっていない。
しかも現在は、田舎と都会では初婚年齢が2年違うと言うし、
結婚しないことを選択する人も多くいることで、
世間的に「子ども」から「大人」への移行が
「3年分」くらいは遅れていると(勝手に)考えられるので、
30年前に比べて10年遅いってのは、
まあ、ないに等しいくらいの差だなと結論づけることにした。
ちなみに、女性は50年前に比べて、
5年遅れで「大人になって」、5年遅れで「おばあさんになって」、
2年長く「おばあさんをやって」いる。
女性は長寿なので、今後、ますます「おばあさん期間」が伸びる可能性もあるし、
もしくは、生命科学技術によって
結婚・出産の常識が変わり、「子ども・青年期」がより伸びるかもしれない。
どちらにしろ、人の人生はこの50年間で、だいぶ間延びした。
やれることが多くなったというよりも、
だいぶ薄まったのだろう。
そう考えると、先日辞任した安倍総理が、
従来なら辞任に追い込まれてもよさそうな色々な問題を追求されながらも、
総理としての歴代最長在任期間を達成できたのも、
かわし方がうまいとか、野党の追求が下手だったとかではなく、
ただ、社会全体が以前より「びろーっと間延びした」ってだけなのかもしれない。