-
暮らしのマイトパルタ
いいとこの子
以前、会員制のホテルでアルバイトしていた時に、お金持ちの家族が朝食を食べに来た。 本当のお金持ちだけが醸し出せる「余裕」を感じさせるその家族の中に、行儀のよさそうな、小学校にあがりたてくらいの男の子がいた。 家族が食事している途中、その子... -
暮らしのマイトパルタ
姓名判断
「姓名判断はしたほうがいいよ」 子どもに名前を付ける時、漢字の画数を気にするよう、そう何人かの人に言われた。 しかし、姓名判断の本などはまったく見ずに、娘の名前をつけた。 そもそも名字の画数が悪いのだ。 名前を変えたくらではどうしようもない... -
暮らしのマイトパルタ
オーシャンビュー
「どの部屋もすべてがオーシャンビュー」 そう書いてあったので 宿泊を予約し、車を走らせ、 旅館に着いて、部屋の窓を開けると、 確かにきれいな海が見えるオーシャンビューだったんだけど、 目の前のオーシャンの中に原発が2基静かに建っていて 言うな... -
暮らしのマイトパルタ
草餅
春一番が吹いて 草餅をたべた 初春は和菓子 洋菓子には 「甘さ」のみを食している気にさせるなにかがある、が 和菓子には 具体的な、「この和菓子」を食べている気にさせるなにかがある いま、草餅の草と餅が 確実に自分の身になっていくぜ と喉ごしがうな... -
暮らしのマイトパルタ
ノイズ
数年前に、解剖学の養老孟司先生が講演会の中で、現代では、人間が情報ばかりを追いかけていて、そういう世界では「情報」が重宝されて、「人間」は隅に追いやられる。なぜなら、人間は「ノイズだらけだから」と言うと、それを聞いていた高校生がワッと笑... -
暮らしのマイトパルタ
ばってん
方言は地方で生まれる言葉と思われているかもしれないが、意外と、中央の言葉が地方に伝播しながら形を変えていったものであることが多い。 西日本において「中央」というのは、昔の京都のことである。 京言葉が田舎に伝播したのが多くの方言であり、田舎... -
暮らしのマイトパルタ
公式
NHKの公式オリンピックソングに採用されるくらい壮大なものを表現してみたいが 自分の心を超えるものは描き出すことができない 言葉と心の距離は そのまま虚無の深さになる -
暮らしのマイトパルタ
ネームレター効果
「魚屋になるやつは、たいてい名字に”川”や”水”が入ってる」 以前、父親はそう言っていた。 その時は歴史的な理由なのかなと思い、彼らの先祖が名字を付け始めた時代に「水」に関わる仕事をしていて、その名残というか、家業の流れから水関係の職に就いた... -
暮らしのマイトパルタ
設問1
「ビニール傘は社会共通財産として 誰のでも使っていいことにしたほうがいい と言ったばかりに クラスの皆から 誰の傘でも平気で盗む人として見られるようになった私の誤解を800字以内で解け」 ただし 「なぜ」「提言と行動の違い」「わからない」「馬鹿野... -
暮らしのマイトパルタ
祈と願
祈と願 指を組んでマリアを見上げる あぁ、もう、だめかもしれません 手を合わせて地蔵に頭を垂れる なんだか、もう、だめなようです