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暮らしのマイトパルタ
自服
一人暮らしをしていることのつまらなさの一つに、 自分で作ったものを自分で食べなければならないということがある。 料理を作っても、結局食べるのが自分であれば、 褒められるわけでも、貶されるわけでもないので、 大して興が乗らない。 自分が作った料... -
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お手紙
お手紙、拝読いたしました。 そんな文章で始まる手紙をこちらが拝読して思う。 手紙には「お」が付くのに、なんでメールには「お」がつかないのだろう。 「お手紙」とはいうが、「おメール」とは言わない。 「お菓子」や「お茶碗」など、名詞につく「お」... -
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はじめてのおつかい
高校生のプロジェクト発表会というものが大阪であり、 山陰に住む高校生を電車で大阪まで引率することになった。 彼らはもう高校生だというのに、電車の乗り換えをしたことがないどころか、 切符さえ買ったことがない子もいて、驚く。 山陰は交通のアクセ... -
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罰
生徒が先生に怒られている。 なにかやらかしたらしい。 これはなにかしら罰があるなと思い、後で先生に聞いてみると、 謹慎一週間だという。 一週間、家から出てはいけない。 家でネットも動画もゲームもできる時代、 家から出てはいけないことはいかほど... -
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嗅覚
物理学者・湯川秀樹のエッセイを読んでいると、 「感覚器官と科学技術」にまつわる文章があった。 科学文明が発達するに従って、 科学技術は、人間の感覚器官を補強するようになった。 望遠鏡や双眼鏡は人の目では見ることのできない部分を見せるようにな... -
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近代教育
こどもたちになにかを教える時、 「近代教育」じゃない形ってのをいつも考えている。 僕は生徒とご飯を食べたり、自分の部屋をみせたりするが、 そういう部分は「近代教育」じゃないだろうなあと感じる。 「近代教育」では、 学ぶということが「知識の伝達... -
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面子
高校生の頃、深夜ラジオを好んで聴いていたので、 聞く気もないラジオ番組がよく部屋に流れていた。 ある日の夜流れてきたのは、「お悩み相談」的な番組で、 どこかのおばちゃんが、職場の上司への不満をぶちまけていた。 相談しているのもおばちゃんなら... -
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看板
「バットを使った野球禁止」 公園に大きな横断幕が張ってある。 「バットを使った野球禁止」・・・。 じゃあ「バットを使わない野球」って何や・・・。 バットを使わない野球。 多分、それはキャッチボールのこと。 看板を立てた人は言う。 キャッチボール... -
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コミュニティ
LINEやFacebookでグループをたくさん作るようになって、 色んなコミュニティに参加することが当たり前の時代になったけれど、 この世に生まれて、初めて入ったコミュニティは、 たぶん、家族というコミュニティだと思う。 入ったというより、気付いたら入... -
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文明開化
九州の実家に帰省していたお土産として「カステラ」を買っていったら、 予想外に喜ばれた。 カステラはおいしい。 カステラのいいところは、「文明開化の味」がするところ。 明治のハイソな人たちも、この味をおいしいと思ったんだと想像すると、 また違っ...