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暮らしのマイトパルタ
才能に惚れる
後輩の女性が数学者に恋をしている。 大して知りもしないのに見事に惚れてしまい、 結婚するのだと、意気込んでいる。 この子は、以前も、先輩の美術アーティストに惚れたり、 ミュージシャンに入れ込んだり、表現者に目がない。 でも、例え、付き合って... -
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お茶の稽古
お茶の稽古に毎週通っていた時期がある。 教えてくれたのは、本業が坊さんの厳しい先生で、 基本、いらんことをしゃべらない。 歳は60の中盤くらいだと思うが、自分のことを話さないので、よくわからない。 僕が手前をしている(お茶を点てている)間、 ... -
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プレゼントの横流し
プレゼントはあげた時点で、もらった人のものだと思っているので、 もらった人がそれをどう扱おうが構わないと思っている。 僕は、バレンタインでもらった義理チョコを、 そのまま、別の友人の新築祝いに「おみやげだよ」と言って渡すような男なので、 ... -
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読書感想文みたいな文
読書感想文ってなんなんだろう。 小学生の頃からロングバケーションに入るたびに書かされていたのに、 結局、何度書いても、書き方がわからなかった。 詳細なあらすじを長々と書く合間に、 「感動した」を何度か挿入して、とりあえず、「できた」ことに... -
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ブリコラージュ
「原付」に乗って冬の藤沢を走っていた学生の頃、 首に巻くマフラーが欲しかったのだけど、お金がなかったので、 マフラーの代わりにパーカーを首に巻いていた。 それを見たほとんどの友人は 「マフラー持ってないの?(=マフラー買えよ)」と言ってき... -
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自己像がハウる
小学生の頃、自分の顔を忘れたことがあった。 あれ?と思い、どうにか思い出そうとするけど思い出せない。 「俺って、どがん顔やったっけ?」 自分の顔を忘れたのは、長い間、自分の顔を鏡で見ていなかったからで、 朝、学校へ行く前も、夜、お風呂に入... -
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悟りの障害
アジアの空港で、チベット仏教の坊さん達を見た。 えんじの袈裟を着た、円顔のおじさんたちの中に混じって、 数人の若い坊さん達が、下を向いて、スマホをいじっている。 このご時世、坊さんがスマホをいじっていても別に「けしからん」とは思わないけど... -
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物との別れ
3月は別れの季節。 卒業や転居、人事異動で人と別れる場面が多い季節だけれど、 メールやSNSが当たり前になってから、 人は確実に、別れが下手になった。 距離的に離れても、簡単に連絡を取り合える今の状況は、 本当の意味での別れではない。 離れたこ... -
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パンチのある料理
「何食べたい?」 そう聞かれて「なんでもいい」と答えるのは最低の返しだ。 「何食べたい?」と聞かれたら、 なんでもいいと思っていても、 「中華」とか「寿司」とか、何か言わなければならない。 例え「中華」と言ってみても、 「えー?中華ぁー?」 ... -
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AIに駆逐されない仕事
AIが世の中の仕事を奪っていったとしても 一番最後まで残る仕事は政治家だろうなと思う。 政治家はAIみたいに理路整然としていない。 急にいままで国交のなかった国を訪問してみたり、 急に昨日まで敵対していた党と手を組んだりする。 AIに、そんなこと...