かたくな
居酒屋でバイトしていた時、二人組の女性客に
「いくつに見える?」と質問された。
僕が気を使って「30?」と答えると、
二人の顔がみるみるこわばってきたので、
近くにいたバイトリーダーに、
「先輩はどう思いますか?」
と、助けを乞うた。
先輩は、バイトリーダーらしく、
すぐに状況を察した上で、「25歳かなぁ」と答えたが、
正解は、「22歳」と「23歳」だった。
それ以来、その女性客は一度も店に来なくなり、
それ以来、僕は、どんな女性に歳を聞かれても、
「ハタチですね」としか答えなくなった。
相手が大学生でも、OLでも、バーのママでも、教頭先生でも、
女性の歳を尋ねる質問には、頑なに「ハタチですね。」としか答えなくなった。
うそ
香港人の友達を京都案内していた時のこと。
朝の京都駅で友達を待っていると、
電車が遅れたらしく、多くの人が改札に並んで、
駅員さんに遅延証明をもらっていた。
そこに香港人の友達が現れ、
「ねえ。あれは、なにに、みんな、並んでるの?」
と聞いてきたので、
「あぁ、あれは、あの、あれだよ。スタンプラリーさ」
と、教えてあげた。
さあ、今日も一日、外国人に、本当の日本を教える一日が、始まるぜ!
ねごと
「寝言に返事をしてはいけないよ」と言われる。
特に子どもが寝言に返事をすると、あっちの世界に引き込まれる恐れがある。
子どもが引き込まれやすいのは、この世の匂いがまだついていないからである。
反対に、大人があの世に引き込まれないのは、体に人間の匂いが染み付いているからだ。
子どもたちは「かごめかごめ」や「はないちもんめ」「おしくらまんじゅう」などの遊びの中で手をつないだり、体を擦り付けたりするが、
これは、子どもたちの体にこの世の匂いを擦り付け合わせるために、大人たちが考え出した遊びだからだ。
としたら、いい話だね。