樹を見ても樹の名前がわからないのは、現代人の絶望的な能力の低さなのだけど、それを補うかのように、スマホをかざせば樹の名前がわかるアプリってのがある。
それはもう、未来の未来の到来を予言するような逸材アプリ。
カフェで鳴っている音楽にスマホをかざして曲名が出できた時ほどの驚きはないにしても、十分、未来的テック。
アプリを持って、子どものように、手当り次第、そのへんの樹や花や実にスマホをかざしてみる。
なるほど、この花が・・・。あ、この樹の名前が、・・・。
あ、そっか、これが噂の・・・。
あ、名前は聞いたことあったけど、こんな形なんですね・・・、と、ひとりごとが続く。
しかし、スマホで得た樹の名前は、次の樹にスマホを当てた瞬間には忘れている。
手軽さとはそういうことだ。
努力して得たものは身になるし、努力せずに得たものは消えていく、という未来的教訓アプリ。
