鳥貴族

昨日、初めて「鳥貴族」に行った。
僕は平民なので、これまで「鳥貴族」に行くのをためらっていたが、
常連の方が連れて行ってくれるということだったので、ご一緒した。
店内には、結構な数の貴族の方々で賑わっていたので、
僕らは三人連れだったにもかかわらず、カウンターに座らされた。
多分、僕が平民なのがバレたのだと思う。
しょうがないので、話す内容だけでも貴族らしくしようと、
「どうやって平民の意見を吸い上げるか」という、政治の話をすることにした。
議題は「世論調査はどうやるのが一番いいか」。

世論調査は新聞社などが各々行っているのだが、
平日の昼間に固定電話に出る人だけを対象にしていたりするので、
あまり世論を反映していない。
ウェブやSNSがこれだけ普及している中で、
どういうやり方が一番、世論を浮かび上がらせるのだろうか。
貴族にふさわしい話題だ。

平民がどう考えているのか。
貴族はそれを世論調査で知るしかないのだが、
世論調査はこれから廃れる方向に進んでいくしかないように思う。
それは、オリコンチャートやビルボードのようなもので、
今の人たちは、今、一番売れているものをそんなに気にしない。
歌を作っている人は気にかけても、
歌を聞いている人は、
自分の好きな歌がオリコンに入っていないからといってがっかりしないし、
まして、自分が興味ない歌がオリコンに入っていても、
買ってみようとは思わない。

自分の好きなものと世の中で売れているものは違う。
それが、今の人の感覚だ。
多分、世論調査も同じ。
世論調査の結果に自分が大きく流されることもないし、
世論調査と意見が違っても、大して違和感を感じない。
そもそも”世論”に、あまり興味がない。
”世論”のような、社会をひとくくりにする「全体」「みんな」は
これからどんどん薄れていき、
自分にとっての「全体」だけが残っていく。
世論は世論、自分は自分。
そんな時代に「支持」「不支持」の二択で語らせる世論調査は、
あまり意味をなさない。

ただ、世論調査が消えても、世論が消えるわけではない。
この「鳥貴族」にたくさんの貴族がいらっしゃるように、
世間にはたくさんの平民がいる。
たくさんの貴族のみなさんが、”砂ずり”をたくさん注文すれば
”砂ずり”はメニューの目立つところに配置されるし、
たくさんの貴族のみなさんが、”キャベツ盛り”をたくさん注文すれば、
”キャベツ盛り”の写真は大きくなるように、
世論は、確実に、「現実」を変えていく。
世論調査が廃れても、平民による世論が消えるわけではないのだ。

 

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