2/12 再会

片手で数えるくらいしかいない友人が福岡にくるという。
『朋あり遠方より来る。亦、楽しからずや。』
孔子の時代から、人のこころってのは変わんないもんだな。
どこに連れていってやろうかと、考えを巡らす。
羽田から福岡空港。
地下鉄で博多駅まで向かって、100円バスで薬院へ。
キャリーケースを部屋に置いて一息ついた友人は、
僕の本棚を左から右に物色している。
「福岡の屋台、行ったことあったっけ?」
「ん・・・。」
取り出した本に夢中で、気のない返事。
「福岡はさ、うまいうどん屋がいっぱいあんだよ」
「ん・・・。」
こいつ、本気で読み始めてやがる・・・。
「お前、人ん家来て、柄谷行人とか読むのやめろよ!」
「え?」
柄谷行人は東京でも読める(というか東京にいる)が、
『かろのうろん』は福岡でしか味わえないのだ。
どうせ読むなら、「明太子をつくった男」とかにしてほしいもんだ。

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