のんびりした時代

今日から野球のWBCが始まる。
二刀流の大谷選手がケガで辞退したこともあって、
盛り上がりはいまいちだが、
大谷が出るもんだと思っていたテレビ局は
過去の名場面、名シーンを流すなどして、
どうにか、盛り上がりを演出している。
僕だってWBCで大谷の165キロの速球を見たかったが、
先の長い大エースに無理をさせるわけにはいかない。
とはいえ、野球界にとっては大誤算だ。
ただえさえ野球は、サッカーと比べ、人気のある国に偏りがある。
野球人気の高い東アジアで盛り上がりにかけたら、
WBCの今後は、大いに雲行きが怪しくなる。
なんせ、金の動く興行だ。
人に注目されなければ金が集まらない。
興行は、みんなに注目されてなんぼなのだ。

スポーツ興行のために金を集める。
そのために、お客さんの都合に合わせて、興行を行う。
そんなこと今じゃ当然の話だが、
ほんのすこし前まで、それは当然ではなかった。
それは、例えば、試合時間の話。
今夜行われる「日本VSキューバ」は当然のごとく、
大勢の人がテレビを見れる夜7時に開始されるが、
ほんのすこし前まで、
一年で一番大事な試合である日本シリーズは、
平日の昼間にやっていた。
ほとんどの大人が会社に行って、
ほとんどの野球少年が学校にいる間に、
日本で一番盛り上がりはずの野球の試合は終わっていた。
いつやればお客さんが一番入るとか、
いつやれば視聴率が最も稼げるとか、
そんなことまったく考えていなかった。
のんびりした時代だった。

Jリーグは今年、
外資の放送会社との契約に成功したおかげで、
チームに入る分配金が増え、
各チームが積極的に、選手の獲得に動いた。
今や、スポーツを変化させるのは、お金なのだ。
もうのんびりしてない現代は、
お金を引っ張ってくることによって、スポーツを面白くしていく。
野球界も、もっとお金を獲得できるように、
多くの人の注目を集める努力をしなければいけない。

でも、なぜなのだろう。
僕には、大谷の165キロの速球より、
のんびりした時代の江川卓の143キロの方が速く見えてしまう。
やはり、のんびりした時代は、周りに速いものがないだけ、
速球が速く見えるのだろうか。
だとしたら、スポーツを面白くするためには、
時代をのんびりさせるのが、一番いいのかもしれない。
それが一番無理だけど・・・。