ドジャースタジアムの鳴り物

 

WBC日本代表が準決勝で負けた。
両チームともピッチャーが素晴らしかったし、
日本はチャンスにあと一本が出ずに敗退したけれど、
一発勝負の試合では、それもまた仕方ない。
最も信頼あるエースの菅野が投げて、
誰もが認める四番の筒香が打てずに負けたのなら、何も文句はない。
どうもお疲れ様でした。

今回、試合が行われていたドジャースタジアムでは、
ラッパや太鼓などの鳴り物が鳴り響いていて、
日本のプロ野球と同じ応援スタイルが見られた。
アメリカは基本的に鳴り物もメガホンも使わず、拍手と声援だけで応援するので、
今回の日本の鳴り物をうるさいと感じた人もいたそうだ。
日本の中にも、
国際試合では日本式の鳴り物は控えたほうがいいという意見の人もいる。
僕はどちらでもいいと思うが、
WBCは国際大会といいながらあまりにもアメリカ主導で動いているので、
応援の仕方くらい、インターナショナルな方向でいいかな、とは思う。

ラッパに合わせてメガホンを振りながら
「かっとばせぇ〜、こっばやしぃ〜!」
と叫ぶのは、クールに拍手で選手のプレーを称えるアメリカ人に比べると
幼い応援に見えるかもしれない。
だが、リズムに乗せて応援をする習慣は、少年時代から体に染み付いている。
僕がいた少年野球のチームでは、相手がフォアボールを出すと、
「ピッチャー、ノーコン♪キャッチャー、大根♪
 内野も外野も、便所神♪べ〜んじょがみ、べんじょがみ♪」
と手をたたきながら叫んでいた。
今考えると、品のない歌だけど、
応援では歌詞より雰囲気が優先される。
後ろで見ている大人が歌詞を注意することもなかった。
アメリカの高校で入っていた野球クラブでは、
僕が飛ばす日本語の野次(コーチの命令)に、
相手ピッチャーはチラチラ反応していた。
そのピッチャー達がそれで制球を乱したかどうかは覚えてないが、
英語の野次より異国語の野次が気になることは確かだった。
野次は内容よりノイズになるかどうかが重要な時もある。
日本には日本式の野次があり、日本式の応援がある。

アメリカ・メジャーリーグは、
アメリカ(とカナダ)だけでやっているだけなのに、
リーグチャンピオン決定戦を「ワールドシリーズ」と呼んでいる、自国中心リーグだ。
全米を制しただけで”ワールド”チャンピオンだなんて、
「アメリカンファースト」がすぎる。
アメリカは、WBCでまだ一度も優勝していないが、
それは、メジャーリーグを、日本始め、外国の選手が支えていることの証明でもある。
これからもメジャーリーグを人気リーグにしておきたいならば、
やるべきことは、まず、世界で野球人口を増やすことだ。
そのために、野球の国際化は絶対条件。
自国以外の野球を認める必要が、これからのアメリカ人には求められる。
日本の鳴り物は、「アメリカシリーズがそのままワールドシリーズだ」と思い込んでいるアメリカ人に、

「もしかしたら、世界には色んなベースボールがあるのかしら」
と考えさせるいいきっかけになるのかもしれない。