ホワイトデー

本日はホワイトデーなり。
「くれ」と言ったわけでもないのに
一ヶ月前にもらったチョコのお返しを、
「「二倍返し」「三倍返し」でしろ」と言うのは、
なんだか男にとってひどく損に思えるが、
男ならば、そこは、大きく構えたい。
本命であれ義理であれ、好意をもって何かをくれた人に
それ相応、それ以上のお返しをして関係を良くしていく姿勢は、
男という以前に、人間として持っておきたいものでもある。

そんなことを思っていると、ふと学生時代のホワイトデーを思い出す。
あれ。
そういえば、僕、中学生の時、
一度も、ちゃんとバレンタインデーのお返しをしていない。
すっかり忘れていたが、僕は中学時代、ホワイトデーに
もらった女子に「お返し」をまったく渡していなかった。
「お返し」をしなかったというより、
「お返し」を一度も「直接渡さなかった」。
僕は、中学の三年間、一度も、「お返し」を自分で渡さず、
まったく関係ない同級生の女子に頼んで、返してもらっていた。
あれ。
これって、結構、ひどくないですかね。

中学男子にとってバレンタインデーは一大行事だが、
僕は正直、面倒くせえなと思っていた。
なんで「くれ」とも言ってないのに、
もらったものに色をつけて返さなきゃいけないのか。
呼び出すのも面倒だし、こそこそ渡すのも面倒くさい。
そもそも大して話したこともないのに「好きだ」なんて、
僕が立っている立ち位置が好きなだけで、どうせ、恋に恋しているだけに違いないと思っていた。
(事実、高校になって立ち位置が変わると、一個もチョコを貰えなくなった)

面倒なことに巻き込まれて怒っていた僕は、
ホワイトデーの前になると、
同級生の女子に頼んで、すべての「お返し」を返してもらっていた。
今、考えると、ひどいなと思う。
チョコをくれた子が、ただ恋に恋してただけとはいえ、
勇気を出して渡したチョコのお返しを、
チョコを渡した男子とは何の関係もない女子が持ってくるのだ。
僕が女子だったら、どういう顔をして受け取っていいかわからない。
「はい、これチョコのお返しね」って、香典返しじゃないんだから・・・。
ひどいよ。
そして、さらにひどいことは、
僕が、その同級生の女子に、直接「お返し」を渡してくれるよう頼んだことはなく、
親同士が知り合いだったこともあって、
親を介して頼んでいたということだ。
だから、僕は一度も、その同級生に直接お願いしなかったし、
一度も、彼女にお礼を言っていない。
ホワイトデーに、関係ない男子のチョコの「お返し」を、
自分には関係ない女子に返して回ったのに、礼の一つも言われていないのだ。
ちょっと、ひどすぎる。
そんなことをしておいて、どの口が
「(二倍返し、三倍返ししなくちゃいけないとしても)男ならば、そこは大きく、構えたい」
などとほざくのだろうか。

いい加減にしてほしい。
本当に文章というのは、当人の性質から離れてなんとでも好きにいえる。
こういうことがあるから、文章で偉そうに言う人のことは信用ならない。
覚えておいてほしい。
文章上で偉そうにしている人に、ろくな人はいない。