人に聞く

  

先日、福岡の街なかで韓国男性アイドルのTシャツを着た人がいたので、
「あれ?」と思い、横を向くと、
同じTシャツを着ている人が何人かいて、驚いた。
そのアイドルは、メンバーの一人が徴兵に行っていて、
今、たいして活動していないはずじゃあなかったっけ・・・?
そう思ったので、ツイッターで検索してみると、
多くのつぶやきから、
その日、福岡で「ファンミーティング」なるものが開催されていることがわかった。
街で「?」と思った時は、ツイッターに限る。
街中の人が、何かしらつぶやいて教えてくれる。

今や、人に聞かなくても、ネットで調べれば、なんでもわかる。
人に聞くよりも正確で多くの情報を、
インターネットは教えてくれる。
外国で困った時なんかは、さらにネットの信頼性は増す。
外国では、道を訪ねても、
必ずしも正しい情報を教えてくれるとは限らないし、
インド人なんか、道を尋ねられて、
「知らない」と答えるより「嘘でも何か教えてあげる方がいい」
と思っている人が多い国なので、
絶対に「人に聞く」より「ウェブで調べた」方がいい。
ウェブの中には、自分と同じように過去に困った経験をした人がいて、
その細かい対処法や、それに関連する有用な情報を教えてくれる。
街なかにいる、見ず知らずの人に聞いても、
良くて、正しい答えを教えてくれるだけだ。
ウェブには、それに付随するおまけの情報も、たくさんある。

では、情報はインターネットで集めた方がよく、
人に聞く必要はまったくないかというと、
もちろんそういうことはない。
なにせ、インターネット(IT企業)の総本山・シリコンバレーには、
人が「集積」している。
シリコンバレーでIT企業を起こす人達は、
周りの人に「聞きまくっている」のだ。
膨大な情報がウェブの中にあるにもかかわらず、
彼らは寄り集まって、人に聞いてばかりいる。
理由は、人に聞けば、助けてもらえるかもしれないから。
シリコンバレーには、ウェブ上にはない情報も集まっているが、
それよりも、金を出してくれる人や、人を紹介してくれる人や
相談に乗ってくれる人や、失敗させてくれる人が集まっている。
手を差し伸べてくれる人が、街に、たくさんいるのがシリコンバレーらしい。
(それが当人の”利益”のためだとしても)。

今まで、私達が人に何かを尋ねていたのは、
人が、情報を持っていたからだ。
でも、今は、人よりもウェブが断然、情報を持っている。
今後、人がウェブに負けないためには、
「おせっかい」になるよりほかはない。
ウェブは情報はくれるが、手は差し伸べてくれない。
生身の人間がこれからも必要とされるためには、
人に対して、情報ではなく、「行為」を与えるしかないのだ。