少年よ大志を抱け

「少年よ、大志を抱け」と言ったのは札幌在住のクラーク博士だが、
最近はどうやら大志を抱かない、「内向き」な子が多いらしい。
子どもが「内向き」なのは、社会が不安定で、
未来を楽観的に考えられないからだけど、
子どものうちから「内向き」志向だと、
「エネルギータンク」が小さいまま大人になってしまうので、
少々問題でもある。
人はそれぞれ持っている「エネルギータンク」の大きさが違っていて、
人間の「エネルギータンク」は子どもの時に一番大きくできるので、
大人は、子どもに偉人の伝記を読ませたり、
大きな夢を抱かせたりするが、
それは、大人が
「子どもの頃抱いていた夢は
 大人になると、風船のように、勝手にしぼんでいく」
ということをよくわかっているからだ。
人が大人になった後で大志を抱き始めることは珍しくて、
(伊能忠敬とか、ムハンマドとか、そのくらいで)
ほとんどの人は、子どもの頃に抱いた大志より小さいサイズの大志を抱えて生きている。
中には大人になって、急に大きすぎる大志を抱く人もいるが、
だいたい、過激な政治活動に目覚めたり、
急にボランティアの鬼になったり、
あまり周りが喜ばない大志の抱き方をする。

だから若いうちに、できるだけ大志は大きく、
「エネルギータンク」は大きくしておいた方がいい。
人は30歳を前にすると、守りに入るようになるし、
家族ができると、安定期に入らざるをえない。
安定期に入ることは、
次世代を育てる「再生産期」に入ることだから何も悪かぁないんだけど、
仕事的に言うと、それは、「逃げ切り」に入るってことでもある。
守るべきものがあるからこそ、
冒険に走らず安定を望むのだろうが、
これからの「100年寿命時代」や、「70歳定年時代」に、
27,28歳で逃げ切りに入るのは、
正直、むちゃな話だ。
この先、まだ40年以上あるのに、
30歳手前で手にしている能力やメンタリティだけで
残りの40年を乗り切ろうとするのは、厳しい。
それなのに、
長い長い後半戦を乗り切っていなかなきゃならないこれからの人たちが、
30代はおろか、
10代の頃から「内向き」になって、自分の範囲を狭めていては、
先が思いやられる。
先は、思うより、長い。
世界は、広げられるうちに広げておいたほうがいい。
広げておけば、縮めるのは、「老い」が勝手にやってくれる。
「エネルギータンク」の大きさが違えば、
感じれる「世界」の大きさも、一人ひとり違う。
人は、手を伸ばしたら、手を伸ばした分、「世界」。
前に這ったら、前に這った分が、「世界」なのだ。